空手君

空手君が先日、退学届けを出したらしい。
他に、したいことが見つかって、就職したんだと。



彼は、脳みそも筋肉で出来ていたので、余りクラスの方々からの
ウケは良くなかった。
やたら大声でしゃべるのに、授業中は小さな声しか出さない。
廊下で大声で、携帯電話で話している。（響く！！）
グループワークでも、的外れなことを自身満々に堂々と言う。
何でも「大丈夫」「気合で何とかなる」が口癖。
キティちゃんのスリッパを履いて学校にくる。
背中に「薄情者」と書かれたＴシャツを着て学校に来る。
毎日、同じズボンを履いている。
大事なときにいない。

何より、空気が読めない。

などの理由から・・・。

女子の中にも、同じようなヤツはいるが、彼女たちは図太く生きている。
そんな彼を僕は、憎めないヤツと捉えて、微笑ましく見てきたのだが。
時には、「空気を読め！！」とか「やかましいわ！」と気づいてほしくて故意に
叱咤してしまったこともあったのですが…。
堪えてなかったなぁ…。

ついに、クラスに溶け込めずに、かわいそうだったかな、なんて思ってもいたの
ですが…。


で、先日、クラスメートのてんこう（引田天功に似ている）さんから相談を受け
た。
天「空手君が、いつかの木曜日に送別会をしてくれと言っているけど、
　　パパ（僕のニックネーム）来ます？」
雄「いいけど、何で木曜日なの？」
天「空手君の休みが金曜日だからですって」
雄「はぁ？俺らは次の日、学校だぞ？自己中な…。」
天「しかも、聞いてくださいよ。私に『なるべくクラスの人たち沢山呼んで
　　やってくれよ、楽しくやろうぜ。』ですって。」
雄「あいつの送別会だって言って、誰も来るわけ、無いじゃん！身のほど…（略」
天「ですよねぇ！で、今のところ参加者は、パパだけですよ。」
雄「・・・」



過去にも、同じような経験があったなぁ。
いつの間にか、退職した方が突然連絡してきて、飲み会に誘われた。
そして「○○さんも呼んでよ！××さんも！△△さんにも会いたいな！！」と、
幹事役を押し付けられてしまったことがあった。
でも、僕はその後ノーアクションでその話は立ち消えに。
なぜなら…。





その方も、空手君と同類の人種で、実は誰からも…。
本人はそのことにちっとも気づいておられず…。





今回は行くと言ってしまった以上、行くつもりだが、反面、
立ち消えてくれないかなぁ…。
行きたくないなぁ…。




と、言っている僕も、周りにどう思われているかは、わからない訳で。
と、思うからそういう人種を憎めないのかなぁ。
と、言うことは、僕も同類の人種かぁ。


奢り高ぶることなく、生きていこう。