信州諏訪発気まぐれ親父のブログ

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木靴の樹

2016-12-29 12:12:12 | 映画

今年も最後の映画鑑賞となりました。 一年を〆るにふさわしい映画が観たいと思い選んだ作品は1978年カンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞作品

37年ぶりのリバイバル上映。3時間の長~い映画です。 さて、それでは

19世紀末のイタリア北部ベルガモ。小作人として農場で暮らしながら働くバティスティ一家ら4家族は、土地や住居、家畜や農具などの全てを領主に

借りて生活していた。ある日、バティスティー家の幼い息子ミネクの木靴が壊れてしまう。学校までの長い道のりを通う息子のために、父親は河の近くに

あるポプラの樹から木靴を作ることにするが・・・しかしその木も、地主の所有物だった。 

農民の日常として、家禽や豚を捌くシーンがあります。刺激的な撮り方ではありません。私達が普通に鯵を3枚おろしににするぐらいの日常感覚で撮影

されています冬がくる前の季節行事のように、近隣総出で御領主様の豚を一頭 を・・・のシーンもありますが、生き物が食材に変わるまで、取り直しの

効かない一発勝負。わざわざグロいところをクローズアップしたりはしませんが、殺されていく豚の悲鳴がリアルです。

四季がめぐりながら、農場に暮らす四家族に起きる出来事を静かに、悠然と映し出される愛情に様々な世界が広がっていく。自然な光・被写体

(プロの俳優は居ないそうです)地主所有地に住むために小作農業に従事し収穫の3分の2を納めなければならない。それでも路頭に迷わないように

必死に働く姿。19世紀という時代が地主をそうさせたのか?息子が喜ぶ顔がみたくて、ポプラの木で作った木靴。ポプラの樹を切り倒した事でこの家族

は追い出されてしまう!たったこれだけのことが、悲劇に変わってしまう。そしてオルミが見せた言葉など何の意味を持たないということ。

他の家族が励ましさても・・・言葉ひとつも出さなかった。自分たちにはわかりきったことがありそれは現実は遠く、祈る神のほうがよっぽど近くに感じて

いるという事でしょうね。

近所に暮らす農民家族が夜な夜な

集まって話し合いをシーンが印象的な作品でした。 ☆☆☆☆今年も87本の作品を鑑賞させて頂きました・・・来年も良い作品に会えることを祈ります 



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