秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

御香宮の絵馬。

2013年05月02日 07時41分38秒 | 京都非観光迷所案内

 通風の足音に脅えつつ、散策した御香宮ですが、なかなか投稿する
気力が湧かなかった・・・。しかし日が経つにつれ記憶が薄れていきます。

ましてボケが深く静かに進行している気がする、今日この頃であります。

足の痛みに耐え忍びながら、投稿いたします。が、文章等に不明瞭な点や
誤字、脱字などありますれば、ご容赦ください。(いつものコトか・・・。)

  
危うく切符を切られそうになった鳥居前。

その北側にある桃山基督教会
  

  

  桃山天満宮
  

  

 

 

 
極彩色唐破風彫

そして本日の主目的「絵馬堂」です。
  

 ある日、行商の男がこの宮にさしかかった、と思いねぇ。(なんで江戸弁やねん)

「あ~、ボチボチ日も暮れよんなぁ。夜道は無用心なこっちゃ。今夜は御香宮さんの
軒下借りて夜明かしさしてもらいまひょ」て、ことで男は拝殿で眠りこんでしまいました。

夜更けに誰かに揺り起こされた男が目を開けると、直衣姿の若者が目の前に立って
いました。 その男が言うには、

「今から高貴なお方がおこしになって、ここでご遊戯あそばす。そなた、邪魔やし、
隅のほうにでも寄っといてんか~」と、いずこから女房と侍女が登場。


絵馬の写真と物語には関連はございませんので・・・・・。

女房は琴、侍女は胡弓でセッションが始まり、やがて女房が 「見ているだけでは
つまりませぬ、そなたも私たちと楽しみましょうぞ」と誘われ男は楽しい一夜を過ごします。

宴も終わり、男は女房と侍女に商売物の小物をさしあげようとしました。が、その時、
男はそっと侍女の手を握ってしまった。

それを見つけた女房、 「キィ~!!ワラワを差し置き、なんたる所業!許さぬぞえ!」
と台座を侍女に投げつけたもんだから、たまらない。

  

侍女のパッカリ割れて額から鮮血が飛び散った!・・・ところで男は目が覚めた。

「エライ、リアルな夢やったなぁ。ほんにオナゴのヘンネシは怖いもんやデ」

と、ふと見あげたとき、奉納額の一枚が目にとまりました。なんと昨夜の登場人物
がそこに描かれ、侍女の額の部分が割れていたんですと。

 

その他にも夜中になると額から抜け出し、近辺の田畑を荒らす猿が、とうとう
農民に鎌で腕を切り落とされたそうです。

  

翌朝、社の額の一枚に描かれた猿の腕が一本切り落とされていたそうな。

そんな楽しい?お話も残されている絵馬堂です。一枚一枚じっくりと鑑賞する
価値はあります。(いや、ワタクシがそう思うだけかも知れませんけど)

最後の余談。 一般的に奉納額は絵馬とよばれていますが、当初は社寺に
生きた馬を奉納していたものが、土馬→木馬→色紙絵馬→板絵馬となった
そうです。馬以外の絵が描かれるようになったのは室町時代からといわれます。

現存する一番古い大絵馬は上賀茂神社に石田三成が奉納したもので、記録
だと寛弘九(1012)年に北野天満宮に色紙を奉納した、と書き残されています。

そのような大絵馬の奉納も大正期には廃れた、とあります。市内でも寺町二条
から三条の間に絵馬屋が店を構えたそうですが、そのころを境に姿を消して
いったのかも知れません。

私のマイベスト絵馬は「光福寺」・オヤジ顔の虎(2009 10/17)です。おそらく
あの絵馬に勝るトボケ顔に出合うことは今後もないでしょうねぇ・・・・。 

 

 

 

 

 



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