巡礼の旅、と聞けばたいていの人は四国を思い浮べるでしょうね。
でも、関西在住の人間が海を渡って四国を巡礼するってのは、大変
なことです。交通機関が発達していなかった昔なら増してのこと。
でも関西に「西国三十三所巡礼」というのがあるんですよね。かつて
は観音講といって、成人男子の長男が8人一組となって西国巡礼を
行っていた村もあるそうです。
え~、長男だけかよ。なんてコトいう人もいたんでしょう。そんな次男
三男も「ツレ参り」と称して同行が許されたそうです。
一緒に参った仲間は「西国連中」と呼ばれ、生涯固い絆で結ばれた
そうです。でも何日もかけて西国を廻るってのも費用がかかりますよね。
そこで登場するのが「西国三十三所」のミニチュア版。その名も「洛西
三十三所」。これなら徒歩で廻っても三日もあればOKです。
一時、途絶えていたそうですが、昭和53年に大原野西迎寺の住職の
呼びかけにより復興、その後「京都洛西観音場」と名を改めたそうです。
なんて話はワタクシ、まったく知らなかったんですけどネ。今回図書館
で借りてきた「洛西三十三ヶ所ガイド」を読んで初めて知ったワケ。
では、これから三十三ヶ所を順番に紹介、なんてメンドーなことはでき
ないから興味のある人はガイドを読んでお廻りください。
とはいえ、今までに「迷所案内」でご紹介したお寺も何箇所かは含まれ
ていますけどね。
この吉祥山 阿弥陀寺はその25番札所です。(22番の常楽寺の納経
も受け付けておられます。)
もとは誓願寺の官長の隠居寺として建てられたそうですから、佇まいも
ひそやかです。後に尼寺となり、明治期には荒廃していたのを、昭和に
復興されたそうです。
ひそやか、というかほとんど民家にしか見えません。入り口にこれが
無かったら、確実に見逃していたでしょうね。↓
先代の住職の手による観音像がいたるところに安置されています。
このビッグな観音様も住職の手作りだそうです。↓
この観音様が安置されている屋根がトタンってのもホノボノ感があって
いいですねぇ。はっきり言って、私、好きですこの「阿弥陀寺」。↓