秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

「ぬかみそ店主」

2010年11月29日 09時53分52秒 | グルメなのか?
「大村しげ」さんの随筆を読んでいたらワタクシも「突発的糠味噌漬けたい症候群」になって
しまった。さっそく近所のスーパーで糠床を購入したのが一月ほど前のこと。

最初は小さめの容器で漬けていたけど、かき回すたび、糠がこぼれてしまうので今はやや
大きいのを使用しています。

昆布やJちゃんに貰った長崎の「あご出汁」(粉末)、壱岐の天然塩などを投入して日々
進化を遂げております。

しげさんの随筆では糠と塩だけで充分美味しく漬かるとのことだけど、なんせ「糠味噌デビュー」
ですから、イロイロ試してみたいのであります。

お昼の定食に付けてお客さんの反応をみてるけど、今のところ好評の様子。と、いうのは
以前は市販の漬物を添えていたんですが、残されているパターンがたまにあったんですよね。

夜にもたまにサービスで提供していますが、ナカナカいける、と言われて調子こいてます。
もう少し自信がついたら一品でメニューにのせてもいいかも。

そういえば「糠味噌女房」なんて言葉があったけど、もう死語の世界にいっちゃいましたネ。

家事に追われて世帯やつれした女房のこと、てのが一般的解釈ですが、いや、糠味噌という
ものは毎日かき回し、鮮度を保たねばならない。家事に長けた賢い女房、って説もあります。

どちらにしても、今どき「糠味噌」をかき回している奥さんってどれくらいいるんだろ、この
ニホン国で。年配の奥さんならまだ大勢いらっしゃると思えるけど、若い人はどうでしょうナ。

最近では発酵食品が見直されているけど、やはり匂いに抵抗があるようですね。発酵してい
るんだから匂いはあって当たり前なんですけどネ。

ところで、糠味噌漬けに限らず、漬物に「味の素」をかけるのが好きって人と、いやいや、
それは邪道デアル、と言う人と別れますね。

私の周りでは圧倒的に「味の素」賛成派が多いようです。「いや、ハイミーじゃないとダメ」
って人もいるかも知れないけど、今んところ出会ったことはありませんナ。

私は胡瓜の古漬けを細かく刻んで、醤油と味の素、七味をかけたのが一番好きですけどネ。

野菜本来の味さえ良ければ、糠と塩だけで充分美味しく漬かるだろうし、味の素も醤油も
かけなくてもオッケーなのでしょう。でもホンモノの野菜を入手するのが困難な時代ですか
ら、その時代や環境の変化に合わせて食べ方も変わっていくのかも知れません。

日々糠床をかき回す指先の冷たさで冬の訪れを感じる「糠味噌亭主」、いや違った「糠味噌店主」
であります・・・・。