秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

「殴りあう貴族たち」、という本。

2010年11月07日 10時12分42秒 | Weblog
今回の伊勢の旅での車中の友がこの本でした。サブタイトルは「平安朝裏源氏物語」
        
光源氏のモデルは何人かいるそうですが、残念ながらワタクシ読んだことが無いもんで、
光源氏=華奢でナイーブな女好き、すなわち私とまったく正反対の男性のイメージしか湧か
なかったんですよね。

物語上の架空の人物だから、何人かの貴族の理想像を合わせてつくられたと思うんですが、
そのモデルとなった人々もナカナカやってくれてますネ。

イジメあり、拉致監禁あり、取っ組み合い、あげくには殺人事件までおこしています。殺人
といっても直接本人が手を下した事件はほとんどありませんけどね。

見出しだけを見ても「中関白藤原道隆の孫、宮中で蔵人と取っ組み合う」

「御堂関白藤原道長の子息、しばし強姦に手をかす」

「内大臣藤原伊周、花山法王の従者を殺して生首を持ち去る」などなど。

ほとんどが名家の息子や孫たち、いわゆるボンボンたちが我がまま放題でおこした事件だけ
ど、まだ武家に頭を抑えられない時代だから、まぁ好き勝手やってくれてますネ。

王朝の華やかなサロンのお話より、こんな記録のほうがアタシャ好きです。男だけじゃなく
て女性も奮闘していますョ。

「内裏女房、上東門院藤原彰子の従者と殴り合う」とか「三条天皇、宮中にて女房に殴られる」

伊勢往復はこの本のおかげで時間を忘れることができやした。

「殴りあう貴族たち」 繁田 信一 著    柏書房