YOU-PROJECT BLOG

お:応答する



応えることと、答えること。このどちらも大事だと考えています。

作る時には、いろんなものにこたえ応じることが必要だと考えています。
もちろん観客の期待、作家の期待(劇作家である以上はきっと持っているはず)、俳優の期待(読んだ時点で浮かんでいるだろうし、仕事をする上でもあるだろう)、そして自分の欲求。
いずれにしても、すべては問いになります。その答えを探すのが仕事になっていきます。その仕事を進めていくことが演出なんだと思っています。

これは感覚的なことなので説明しにくいのですが、例えば物を配置する時に、XYZ軸があると、座標が定まります。いわば三次方程式を解く作業になります。
そしてその軸が増えれば増えるほど、それに応じて解が定まっていきます。
x+1=2である時、x=1なのですが、それはy軸状にもz 軸状にも無限にあってしまいます。
そこを定めていく時に、より具体的で明快なものが生まれてきます。

「ワーニャ伯父さん!」を例にとれば、まずこの!があります。これは呼びかけです。
ソーニャが呼びかける、最後のあの台詞、もしくはあの視点、視線を作るべきだということです。その軸の中にあって、チェーホフを調べていくと、田園生活の情景と書かれていて、今で言う日常系の物語なのかな、とか、僕が好きな日常の非日常かな、となったりします。
ワーニャを山本さんがやり、じゃあマリヤは弓澤さんに、ソーニャをぺんぺんさん、となっていきます。じゃあセレブリャコフは氏田さんでとキャスティングが決まるごとに、戯曲の中身が決まっていきます。でもそれだけだとやっぱり無限にあるので、3次元空間上の舞台装置が設定され、その中で動きの可能性は減っていきますがより豊かに目的を持ったものになっていきます。でもやっぱり答えがありすぎるので、フェルメールやベラスケスの構図やポーズを借りていくと、具体的にその場ではこう言う動きにならざるを得ない(その絵に応じて)となって動きがまた洗練され、定まっていきます。
この作業はずーっと続いていき、スタッフが加わって明確になり、最後にお客さんが来て、お客さんに応じたイメージ、時間が流れて、最後にはここの脳内の記憶へと変わります。

それが応答という作業、演出という作業です。
ふむ、伝え切れていない気がしますが、これが限界です。
文字という、ブログというツールに応じた答えとして出力されました。
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