SHOUTS TO THE SOUL !!   岡崎 陽

根っからのネガティブ人間。
無能、ノミの心臓が語るブログ。

短編小説

2016年09月30日 18時40分26秒 | Weblog
午後22時、今日も仕事に追われて、くたくただ。

しかし、歩く足は軽快だ。

今日は給料日、自分にご褒美をもらう日だ。

六本木レストラン「コージーコーナー」に入った。

勿論一人、アフターに待ち合わせなど一度だってしたことはない。

そう、俺は恋人も友人もいないチョンガーの30歳。

きらびやかな店内はカップルで賑わっている。

「お一人ですか?」分かり切ったウエイトレスの一言が癇に障るが、今日は特別な日。

「ええ、一人です、禁煙席にお願いします」

六本木交差点が見える角の席に座った。

「いつもの」と、言いたいけど、月に一度しか来ない店、知るはずもないか。

「サバランとホットコーヒーでよろしいですか?」

ウエイトレスはちょっとはにかむように小声で言った。

「え?!!」俺はウエイトレスの顔を始めて見た。

恥ずかしそうに眼をそらす、「はい、お願いします」と、言った。

町はきらきらと輝いて、俺の心が温まった。




短編小説

2016年09月30日 06時34分04秒 | Weblog
女「あなたは何が欲しいの?」

男「金だ。」

女「その答えなんだか、えげつない」

男「うん、でも俺の本音」

女「お金を何に使うの?」

男「何も買わない。」

女「貯金?」

男「そうだよ、何も買わない」

女「それじゃ、差し迫って欲しいものではない訳ね」

男「いや、一刻も早くほしい」

女「何も買わないのに?」

男「お金の使い道は買い物だけじゃないよ」

女「どういうこと?」

男「たとえば、欲しいものがあったとする、まあ、それを1万円で買ったとする、
  でも、買ったものは買った時点で、その価値は三分の一以下になるんだ」

女「流通って、そういうものよね」

男「そう、だから、買いたいものは大体がいつでも買えるもの、買うと損するだけだ」

女「それではお金の必要性はないよね」

男「いや、大きな必要性があるんだ、お金を持っていれば、いつでも使えるから、買わなくても我慢はできることがほとんどなんだ。
  買わないけど、いつでも買えるという精神は安息だ。
  しかし、買わなくても、いつ何時健康を損ねるかもしれないし、仕事ができなくなってしまったり、
  税金とか、常に消費してしまうのが現実だ。
  でも、そんなことが起きてもゆるぎないほどに、自分の生活が安定しているのは金の貯えがあるからだろ、
  だから、金は安息をもたらすという最高の使い道があるってことさ」