大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十四話 中

【頼朝の非凡さについて】 さて、14話では、吾妻鏡の治承四年8月6日の条に記述されていると見られる密議がシーン化されていた。そこでは頼朝の打倒平氏のほう起について、北条時政と政子と頼朝の話し合いの結果で決定されたような描き方をしていた。特に男勝りの政子は令旨の正当性までも指摘するなど、当初から頼朝の政治的アドバイザーにでもあるかのような趣きであった。確かに史料の伝える政子は、男勝りで新しい女性で . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十四話 上

【頼政の無念が感じられない宇治の戦い】 大河ドラマ「義経」第14話をみた。内容としては実に薄っぺらで非常に散漫なものであった。私が見る限り、作家は「平家物語」を持て余し気味で、ただストーリーの表面をなぞっているようにしか見えない。 この薄っぺらさの原因は、台本を作る作家が「平家物語」という古典の劇的世界や運命の哲学を理解せず、大河のように流れる物語のストーリーを追うことに躍起とならざるを得ない . . . 本文を読む
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