水彩画 よしのの部屋

水彩画やスケッチなどを載せていきたいと思います。

桜飯

2008-03-10 | 絵画・静物
桜飯を作りました。
桜飯というのは蛸の炊き込みご飯のことを言うこともありますが、これは桜の花の塩漬けを使ったものです。
柴田よしき「ふたたびの虹」にでてくるレシピで、この本は小料理屋「ばんざい屋」の女将とそこに来る客の人情ミステリーの話です。
連作短編になっていて「桜夢 ばんざい屋の3月」というところに寒緋桜のことや緑の桜の御衣黄の話が出ていて、その「ばんざい屋」で食事をした客が店を出てから殺されるという事件があり、聞き込みに来た刑事にそのときの客の様子を話して、濡れ衣を着せられそうになっていた女性を助け、真犯人が捕まるという話で、その篇に軽く塩出しして細かく刻んだ塩漬けの桜の花びらと、針のように細く切った昆布の佃煮を炊き立ての白いご飯に混ぜる…と桜飯の作り方が書かれています。
作ってみようと思い、近くのスーパーへ行ったのですが、桜の花びらの塩漬けが売ってなくて、しかたなくお菓子の材料を売っているところで、桜の葉の塩漬けを買ってきました。その後デパートで桜の花の塩漬けと昆布の佃煮を買ってきて、葉のみじん切りも入れて作りました。お米も半分もち米を混ぜて炊いたら、さっぱりもちもちの風味がある桜飯が出来ました。

その他にもこの本には、山栗のおこわやあざみの根の糠漬けやヤマボウシの実のゼリーまた鱧で出汁を取った松茸の土瓶蒸しなど、いろいろ美味しそうなものが出てきます。
物語のストーリーには関係なくても、季節と場面に適した料理がそれとなく出てくるのは読んでいて楽しい。

北森鴻の「蛍坂」。この本も連作短編でその中に美味しいお料理が出てきます。
ビアバーに来る客の悩みやわだかまっていた謎を話すと、店主が解決してくれたり事件になりそうなことを防いだりする話です。その謎解きもですが、この店で出てくる料理の描写がすばらしい。
特別高級料理でもなく、普通の主婦でも作れそうな感じがするのだが…。