こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です!
2018年も始まりましたね〜。
お正月はどのように過ごされていましたか?
私は北海道へ帰省していました。
両親の具合が芳しくなく、実家へ帰省→ご馳走食べる というよりも
病院や施設へのお見舞いに終始していました。
さて、2017年12月1日に改正になった
「血液・造血器疾患による障害」の認定基準について です。
平成21年の政府統計によると(リンクは下部に記載)
「血液・造血器の疾患」で障害年金を受給しているのは、
わずか2千人(0.1%)です。
受給者全体の0.1%とは、少ないですね〜。
ちなみに、精神疾患では50万人(27.9%)、
知的障害では40万人(21.9%)。
精神・知的を合わせて、障害年金受給者のほぼ半数です。
私の事務所で扱っている案件も、
統計のとおりで、半分以上が精神・発達・知的障害です。
血液・造血器の疾患は数件で、すべて白血病の案件でした。
ブログを書くにあたり、専門家会合の議事録を読み返しました。
(まとまった時間がとれず、帰省時に読むことができました。)
認定医がどのように判断しているのか、
特に、グレーゾーン(ボーダーライン)の認定についてなど
興味深い意見が出ており、読んでいて、とても面白かったです。
血液疾患についても、勉強になることばかりでしたよ。
【血液・造血器疾患の分類変更】
まずは、疾患の分類が変更になりました。
(改正前)
・難治性貧血群
・出血傾向群
・造血器腫瘍群
(改正後)
・赤血球系・造血不全疾患(再生不良性貧血、溶血性貧血等)
・血栓・止血疾患(血小板検証性紫斑病、凝固因子欠乏症等)
・白血球系・造血器腫瘍疾患(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)
といっても、呼称の変更と具体的な疾患名の追記ですね。
これはスルーでいいと思います。
【赤血球系・造血不全疾患の変更点】
この疾患の分野は、再生不良性貧血などの貧血が主症状で、
日常生活の制限は、輸血によるものだそうです。
そして、輸血するとヘモグロビンの数値は一時的に良くなるため、
障害の指標として信頼できる検査項目は、
「網赤血球数」の絶対数だそうです。
輸血の頻度が「ひんぱん」か「時々」か「必要に応じて」かどうか、
貧血が「高度」「中度」「軽度」かどうかが
認定基準(A表)になっていますが、
「ひんぱん」か「時々」か「必要に応じて」や
「高度」「中度」「軽度」は
表現として漠然としていますね。
これでいいのかどうか、話し合われました。
頻度の表現方法を、たとえば
ひんぱん=1週間に一度
時々=月に2〜3回
必要に応じて=月に1回以上 と具体的に記載すると
頻度から外れた場合に運用が難しくなるため、
頻度の表現はそのままにして、
その代わり、A 表とセットになるB表に
造血機能の程度を正確かつ客観的に表す指標の
「網赤血球数」を追加することになったのです。
改正前はB表の3つ以上該当しなかればなりませんでしたが、
改正後はB表の1つ以上に該当になり、基準としては緩くなりました。
と、こう書いてもA表だのB表だのって、わかりづらいと思います。
実際に自分や家族の傷病が該当するかどうかを
確認したい方は、弊事務所へお問い合わせくださいね。
改正後の再生不良性貧血のポイントとしては、
医師に診断書を記載してもらう時に、必ず網赤血球数を記載してもらうこと!
これにつきます。
ちなみに「網赤血球数」による等級(B表)は、以下のとおりです。
区分I(1級) 網赤血球数 2万/μl未満のもの
区分II(2級) 網赤血球数 2万/μl以上6万/μl未満のもの
区分III(3級) 網赤血球数 6万/μl以上10万/μl未満のもの
自分の網赤血球数がどの区分に当てはまるのをチェックすることも必要です。
なお、認定方法としては、他の内部疾患同様に
検査数値だけで決まるわけではなく、一般状態区分表にしばられます。
以下の3つを順番にクリアしているかどうかをチェックするわけです。
1 貧血の程度や輸血の頻度(A表)
2 網赤血球数(B表) 注:他にも検査項目あり
3 一般状態区分のアからオのどこに該当しているか
認定基準を読み解いて、該当するかどうかを判断することは、なかなか難しいものですね。
【血栓・止血疾患の変更点】
血友病以外の重篤な凝固因子欠乏症に対応するために
新たに「凝固因子活性」の検査数値が、B表に追加されました。
また、インヒビターのある方の生活状況の厳しさは
インヒビターのない方に比べて、より厳しいと認識されているため、
診断書にインヒビターの有無に丸を付ける項目ができました。
この点も、診断書を書いてもらう時には、チェックするポイントですよ!
A表の頻度の表現については、赤血球系・造血不全疾患と同じです。
【白血球系・造血器腫瘍疾患の変更点】
大きな変更点(改善点)は、造血幹細胞移植についての規定が加えられたことです。
移植片対宿主病(GVHD)の所見を記載する欄が診断書に新設され、
認定基準にも慢性GVHDの重症度を考慮する旨の項目が追加されました。
白血球系・造血器腫瘍疾患では、
・腫瘍そのものによる症状
・腫瘍があることによって正常造血が障害されて出る症状
・治療そのものによって起こってくる症状
の3つの症状を診断書から読み取って認定されます。
症状の出現は、患者さんにより異なります。
診断書に何も書いていないと「症状はない」と認定されますので、
もし、診断書に書ききれていない場合には、
病歴・就労状況等申立書(本人や家族が作成)で補足する必要があります。
専門家会合でも認定医の先生が
副作用などは病歴・就労状況等申立書も参考にしていると発言していました。
以上が、血液・造血器疾患の改正項目について です。
ザーッと書きましたが、わかりづらいことも多いし、
第一、該当する方が全体の0.1%と少ないので興味を持って読んだくださる方は
少ないと思います。残念なことに・・・。
でも・・・、ですね、
血液・造血器疾患の専門家会合で話し合われたことで、
他の内部疾患や精神疾患にも共通する
認定医の診断書の読み方や
等級認定の考え方 について
とても興味深い発言がありましたので、
次回のブログで書いてみますね!
そちらの方が面白いと思います。
とにもかくにも
2018年も始まりました!
ただ年をとるだけでなく、今年も専門性を高めて精進していきたいです。
どうぞよろしくお願い致します!
よい年にしましょうね!!!
平成21年の政府統計のリンクはここをクリック!してくださいね。
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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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【お知らせ】
よしの社労士事務所では、障害年金に関するご相談は無料です。専門家としてアドバイス致します。
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なお、匿名でのご相談は受けておりません。
一般の方向けに「スッキリ解決!みんなの障害年金」を商業出版しました。
おかげさまで、2015年9月刊行後、2か月で1万部に到達しました。ありがとうございます。
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Have a nice day!
Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
社会保険労務士の吉野千賀です!
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病院や施設へのお見舞いに終始していました。
さて、2017年12月1日に改正になった
「血液・造血器疾患による障害」の認定基準について です。
平成21年の政府統計によると(リンクは下部に記載)
「血液・造血器の疾患」で障害年金を受給しているのは、
わずか2千人(0.1%)です。
受給者全体の0.1%とは、少ないですね〜。
ちなみに、精神疾患では50万人(27.9%)、
知的障害では40万人(21.9%)。
精神・知的を合わせて、障害年金受給者のほぼ半数です。
私の事務所で扱っている案件も、
統計のとおりで、半分以上が精神・発達・知的障害です。
血液・造血器の疾患は数件で、すべて白血病の案件でした。
ブログを書くにあたり、専門家会合の議事録を読み返しました。
(まとまった時間がとれず、帰省時に読むことができました。)
認定医がどのように判断しているのか、
特に、グレーゾーン(ボーダーライン)の認定についてなど
興味深い意見が出ており、読んでいて、とても面白かったです。
血液疾患についても、勉強になることばかりでしたよ。
【血液・造血器疾患の分類変更】
まずは、疾患の分類が変更になりました。
(改正前)
・難治性貧血群
・出血傾向群
・造血器腫瘍群
(改正後)
・赤血球系・造血不全疾患(再生不良性貧血、溶血性貧血等)
・血栓・止血疾患(血小板検証性紫斑病、凝固因子欠乏症等)
・白血球系・造血器腫瘍疾患(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)
といっても、呼称の変更と具体的な疾患名の追記ですね。
これはスルーでいいと思います。
【赤血球系・造血不全疾患の変更点】
この疾患の分野は、再生不良性貧血などの貧血が主症状で、
日常生活の制限は、輸血によるものだそうです。
そして、輸血するとヘモグロビンの数値は一時的に良くなるため、
障害の指標として信頼できる検査項目は、
「網赤血球数」の絶対数だそうです。
輸血の頻度が「ひんぱん」か「時々」か「必要に応じて」かどうか、
貧血が「高度」「中度」「軽度」かどうかが
認定基準(A表)になっていますが、
「ひんぱん」か「時々」か「必要に応じて」や
「高度」「中度」「軽度」は
表現として漠然としていますね。
これでいいのかどうか、話し合われました。
頻度の表現方法を、たとえば
ひんぱん=1週間に一度
時々=月に2〜3回
必要に応じて=月に1回以上 と具体的に記載すると
頻度から外れた場合に運用が難しくなるため、
頻度の表現はそのままにして、
その代わり、A 表とセットになるB表に
造血機能の程度を正確かつ客観的に表す指標の
「網赤血球数」を追加することになったのです。
改正前はB表の3つ以上該当しなかればなりませんでしたが、
改正後はB表の1つ以上に該当になり、基準としては緩くなりました。
と、こう書いてもA表だのB表だのって、わかりづらいと思います。
実際に自分や家族の傷病が該当するかどうかを
確認したい方は、弊事務所へお問い合わせくださいね。
改正後の再生不良性貧血のポイントとしては、
医師に診断書を記載してもらう時に、必ず網赤血球数を記載してもらうこと!
これにつきます。
ちなみに「網赤血球数」による等級(B表)は、以下のとおりです。
区分I(1級) 網赤血球数 2万/μl未満のもの
区分II(2級) 網赤血球数 2万/μl以上6万/μl未満のもの
区分III(3級) 網赤血球数 6万/μl以上10万/μl未満のもの
自分の網赤血球数がどの区分に当てはまるのをチェックすることも必要です。
なお、認定方法としては、他の内部疾患同様に
検査数値だけで決まるわけではなく、一般状態区分表にしばられます。
以下の3つを順番にクリアしているかどうかをチェックするわけです。
1 貧血の程度や輸血の頻度(A表)
2 網赤血球数(B表) 注:他にも検査項目あり
3 一般状態区分のアからオのどこに該当しているか
認定基準を読み解いて、該当するかどうかを判断することは、なかなか難しいものですね。
【血栓・止血疾患の変更点】
血友病以外の重篤な凝固因子欠乏症に対応するために
新たに「凝固因子活性」の検査数値が、B表に追加されました。
また、インヒビターのある方の生活状況の厳しさは
インヒビターのない方に比べて、より厳しいと認識されているため、
診断書にインヒビターの有無に丸を付ける項目ができました。
この点も、診断書を書いてもらう時には、チェックするポイントですよ!
A表の頻度の表現については、赤血球系・造血不全疾患と同じです。
【白血球系・造血器腫瘍疾患の変更点】
大きな変更点(改善点)は、造血幹細胞移植についての規定が加えられたことです。
移植片対宿主病(GVHD)の所見を記載する欄が診断書に新設され、
認定基準にも慢性GVHDの重症度を考慮する旨の項目が追加されました。
白血球系・造血器腫瘍疾患では、
・腫瘍そのものによる症状
・腫瘍があることによって正常造血が障害されて出る症状
・治療そのものによって起こってくる症状
の3つの症状を診断書から読み取って認定されます。
症状の出現は、患者さんにより異なります。
診断書に何も書いていないと「症状はない」と認定されますので、
もし、診断書に書ききれていない場合には、
病歴・就労状況等申立書(本人や家族が作成)で補足する必要があります。
専門家会合でも認定医の先生が
副作用などは病歴・就労状況等申立書も参考にしていると発言していました。
以上が、血液・造血器疾患の改正項目について です。
ザーッと書きましたが、わかりづらいことも多いし、
第一、該当する方が全体の0.1%と少ないので興味を持って読んだくださる方は
少ないと思います。残念なことに・・・。
でも・・・、ですね、
血液・造血器疾患の専門家会合で話し合われたことで、
他の内部疾患や精神疾患にも共通する
認定医の診断書の読み方や
等級認定の考え方 について
とても興味深い発言がありましたので、
次回のブログで書いてみますね!
そちらの方が面白いと思います。
とにもかくにも
2018年も始まりました!
ただ年をとるだけでなく、今年も専門性を高めて精進していきたいです。
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おかげさまで、2015年9月刊行後、2か月で1万部に到達しました。ありがとうございます。
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Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀