障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金 母親の代理受診は初診日になるか

2017-06-13 | 社労士の障害年金
こんにちは!

社会保険労務士の吉野千賀です。


母親が本人の代理で受診した日

障害年金の初診日になるかどうかについて、書いてみます。



障害年金では「初診日の確認」が重要です。

初診日の確認・・・

私も相談や依頼を受けると

すぐに初診日を確認していきますが、

どの日を初診日にしたらいいのか・・・

正直、迷うことも多々あります。


【初診日の定義】

「初診日」とは、

障害の原因となった傷病につき、

初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」と定義されています。


この定義では「本人が」初めて医師の診療を受けた日 とまでは

明確に記載されていませんが、

通常、診療は本人が受けるものですから、

単に主語を省略しただけなのかもしれません。



そこで、問題になるのは

本人が何らかの理由(引きこもりや病識がないなど)で受診できなくて

家族が代理で受診した場合に、

家族による代理受診日が

障害年金の初診日になるかどうか・・・です。


【弊事務所の事例1】

本人が自室に引きこもっているため、

母親がメンタルクリニックへ相談に行き(A時点)、

その後も定期的に母親が相談に出向いていました。


その6ヶ月後に、本人がネットを介して

初めて医師と面談しました(B時点)。


さらに、その3ヶ月後に、

ようやく本人が医師と直接面談しました(C時点)。


どの時点でも納付要件は問題なく

いずれの時点から現在まで、同じ病院です。


A時点、B時点、C時点

さて、どの日を初診日にしようか、迷いました。



迷った末に

最も古いA時点を初診日として

障害認定日請求(遡及)をしました。



遡及できるとしたら、できるだけ遡った方が

依頼者にメリットがあるからです。



結果的に、すんなりと返戻もなく

A時点を初診日とした遡及が認められました。

丁寧な病歴・就労状況等申立書を作成したからかもしれません。

ちなみに、年金事務所で受けたアドバイスは、

「C時点が初診日である」というものだったそうです。



【弊事務所の事例2】

本人に病識がなく

母親がメンタルクリニックを代理受診して、その後も

2年くらいは母親がクリニックへ定期的に相談していました。


そのクリニックは廃院したため、

3年前から現在の病院へ転院している方です。



初診日を母親が代理受診したメンタルクリニックとすると

受診状況等証明書(初診日の証明)は取れませんし、

カルテを探しましたが、廃院したため、見つからず

障害認定日請求(遡及)もできません。



実は、その20年くらい前にも

別のメンタルクリニックを受診して、

入院加療や投薬治療を受けたことがありました。

その後、症状がなく受診していない期間が17年くらいありました。



そこで、社会的治癒期間があるとして、

要件に該当するような資料を集め、


病歴・就労状況等申立書には、

20年前の受診から

母親の代理受診も隠さずに記載したうえで


本人が受診した病院を「初診日」として

障害認定日請求(遡及)しました。


結果的には、こちらが主張した「初診日」が認められて

不服申し立てをする必要もなく

無事に遡及して受給することができました。



【つまり、ケースバイケース】

事例1では、母親の受診を初診日とし、

事例2では、母親の受診は初診日でないとして、

両方とも主張が認められたわけです。


ということは、

審査する側も事例ごとに判断していることになります。



同じ病気でも

病歴 や 個人を取り巻く状況 は異なりますので

画一的に判断するものではないということですね。



【難しいケースはご依頼ください】

無料相談のお電話で

「母親の代理受診は初診日になりますか?」と

そこだけを尋ねられたとしても

その場でYes/Noをお答えすることはできません。



初診日の確認が難しいケースでについては、

ご依頼いただいて、状況を丹念に調べ、確認して

代理人として最良の方法で請求することができたらいいなと思います。


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【お知らせ】

よしの社労士事務所では、障害年金に関するご相談は無料です。専門家としてアドバイス致します。
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おかげさまで、刊行2か月ちょっとで1万部に到達しました。ありがとうございます。

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Have a nice day!

Chika Yoshino

障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
コメント
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