前不見古人
後不見来者
念天地之悠悠
独愴然而涕下
これは、初唐の詩人 陳子昂 の 「登幽州台歌」という作品である。
私はこの詩が好きだ。定型の詩形にはなっていないが、実に『孤高』という事実とそのことの立派さがものすごくストレートに伝わってくる詩である。
天地は悠々。ただ、一人で涙が流れてくる。実際私も近くの小高い丘の上から遠くを眺めてわき上がる感情に、ただただ感動していた瞬間があるので、この気持ちに共感出来る。
常々、漢文、漢詩をこそ、日本の教育の場にもっと復活させることは、今の保守反動派勢力にとって絶対いいと思うのだが、そうはならないようだ。多分、古来日本で重視されて、現代中国では捨てられた、漢文・漢詩は人間としての絶対真理を述懐している作品だけが残っているので、現代日本の政治中枢も現代中国の政治中枢も困る物なのだと思う。結局現在の統治機構の都合のよい『道徳教育』がなされていくようである。残念でならない。
人生感意気
功名誰復論
である。 (人生は、何かしようと積極的に感ずるもの。誰が、功名など論じようか。)