世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

海鼠(ナマコ)

2017年02月08日 20時52分21秒 | Weblog

    赤ナマコ

海鼠(ナマコ)・マナマコ



【語源】
海の鼠(ネズミ)と書いて、ナマコと読むのは、夜になるとネズミの
ように海底をはいまわるからとか、見た目が、ネズミの後姿に似て
いるから・・・・などと言われています。

古くは、ナマコは単に「こ」と呼ばれていたようです。
生の「こ」が「なまこ」と言うわけです。
また、中国名は「海参」海のニンジンです。英名は「sea cucumber」
海のキュウリとか「sea sausage」海のソーセージと言います。

インパクトある姿をしているので、見た目から命名が多いようです。



        青ナマコ



          海鼠腸の塩辛

【旬】
ナマコは冷たい海が好き。
水温が16℃以上になると、冬眠ならぬ夏眠に入ります。
北海道では夏眠しないものもいますが、秋も深まり水温が下がると
目覚めます。そして、待ちに待った漁期となります。

海鼠(ナマコ)の旬は冬です。「冬至ナマコ」と言う言われ方も
します。

地域によって違いますが、ナマコ漁の解禁は11~12月です。



      (上)青ナマコ、(下)赤ナマコ



【種類】
マナマコは体色によって、呼び分けられます。
赤褐色のものを「赤ナマコ」、暗青緑色から黒に近いものを「青ナマ
コ」と呼び分けます。
色の違いは、生息場所の違いで、赤ナマコは岩礁地帯に住み、青ナマ
コは砂地の海底に生息します。

味は赤ナマコの方が良いとされ、高値で流通しているようです。

青ナマコの中でも特に黒色に近いものを、「黒ナマコ」とも、呼び分
けますが、沖縄以南には、標準和名で「クロナマコ」と言う別種が
存在しますので、お間違いなく・・・・ややこしい~!


       ナマコ酢

【うんちく】
一般的に流通しているのは「マナマコ」です。
ナマコは軟体動物ではなく、ウニやヒトデの仲間で棘皮(きょくひ)
動物です。

海へ行って知らずにナマコを踏んでしまった時に、ナマコがネバネバ
した糸状のものを吐き出したり、内臓を吐き出すのを見たことがある
と思いますが、この糸状のものは「キュビエ器官」と呼ばれるもので
、刺激されると肛門から吐き出します。
この糸が魚のエラブタにからみつくと、魚はエラを動かせなくなって
死んでしまいます。


もう一つの技は「自切」です。トカゲの尻尾のように危険を感じた時
に体の一部を自分から切り離します。
動きの遅いナマコの地味な抵抗ですね~!

こんな、強い生命力から、中国では古くから精力剤として珍重され
ました。陸の精力剤「高麗人参」になぞられて中国で「海参」呼ばれ
る事は既に記しましたが、ニンジンはニンジンでも、高麗ニンジンの
事なんですよ~!





     ナマコのくちこ干し


       くちこ干しを炙った物

【ナマコの珍味】
ナマコの加工品は、高級珍味として流通しています。
海鼠腸(このわた)は、ナマコの腸を塩辛にしたもの・・・。
ウニ、カラスミとならび、日本三代珍味と呼ばれています。

海鼠子(このこ)は、ナマコの卵巣の塩辛。

「このこ」を干した「干このこ」も超のつく高級品で酒の肴に最高
「くちこ干し」、「干口子(ひぐちこ)」とも呼びます。



【ブランド・産地】
ナマコは北海道から九州まで、生息している為、特別な産地は見当た
りませんが、漁獲量の最も多いのは北海道です。続いて、青森・山口
・兵庫の順となります。

ブランド化はされていないようです。



     海鼠腸(このわた)の酢の物
【産地ならではの漁師料理】
ナマコの代表的な食べ方は酢の物です。コリコリした歯ごたえと、
磯の香りがたまらないですよね~!

しかし、瀬戸内地方の漁師料理で「ふくらぎ」と言うナマコ料理が
あります。
ハラワタを取り除いて、適当な大きさに刻んだナマコを沸騰した
お湯にくぐらす・・・・ナマコのジャブジャブのようなもの。
これを、なます風に味付けし、すりおろした山芋などをかけて食べ
る料理。「ナマコは火を通すと柔らかくなり、また違った食感を楽し
めるんじゃ」と・・・・!なんとも精力のつきそうな一品ですね。



【栄養と効果・健康】
ナマコはコリコリとかなり堅い食材ですが、その成分は意外。
90%以上が水分です。堅さの原因はコラーゲンです。また、サボニン
、コンドロイチンなども含み、お肌の健康維持には最高の食材と言え
ます。女性は食べるべし。

東南アジアでは、美容に良いという事でナマコブーム。
ナマコゼリーやジュース、ジャムなどが登場して来ているとか・・!

ミネラルも、カルシューム・カリウム・マグネシュームをバランス
よく含んでいます。

       薄切りにした海鼠




        ナマコとコノワタの和えもの







          赤ナマコの酢漬け






       コノワタとホヤの和えもの











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公魚(ワカサギ)

2017年02月08日 08時48分53秒 | Weblog


ワカサギ(公魚)


             ワカサギの南蛮漬け

【語源】
ワカサギの「ワカ」は「湧く(わく)」に由来し、「サギ」は多い
事を意味するという説。

「ワカ」は幼い、弱々しい事を意味し、「サギ」は白い事や、
小魚を表し、これに由来していると言う2説があります。

「公魚」と書くのは、霞ケ浦、北浦の一部を治めていた麻生藩が
将軍家斉公(徳川 11代目)に年貢として治めたことから公儀御用
の魚、つまり「公魚」と呼ばれ、この字があてられました。



      ワカサギ
【旬】
極寒の中 氷の張った池や湖に出て、開けた穴から釣り糸を垂らして
釣るワカサギ釣りは、湖の冬の風物詩となっています。
ワカサギの味は淡白の一語につきる、全くバター臭さがない
桜の頃に孵化した稚魚の漁が秋から始まります。秋の深まりと共に
脂がのり、真冬には身がしまって適度に脂も落ちます。
冬から初春が旬と言えます。


      チカ

【うんちく】
ワカサギは、サケ目キュウリウオ科ワカサギ属に分類されます。
同属は世界に6種、日本にはその内ワカサギ、チカ、イシカリワカ
サギ、チシマワカサギの4種が分布しています。
もともとは冷水の海産魚で、日本海側は島根以北、太平洋側は茨城
以北から北海道オホーツク海沿岸に分布していました。
川で産まれて汽水湖や海で育って、産卵のために故郷の川に戻ると
いう鮭の縮小版のような回遊を行っていたようです。
それが明治の終わり頃から各地の湖に移植されるよになった事と、
沿岸域の環境変化に住みかを奪われて、すっかり淡水魚になって
しまいました。

今では純海産のワカサギはわずかです。岩手県宮古湾に注ぐ閉伊川は
、ワカサギが海から直接、大量に遡上する全国でも珍しい川として知
られます。



        チカ
【ワカサギのそっくりさんチカ】
ワカサギにそっくりですが、別種の魚も多く流通しています。
その魚の名を「チカ」と言います。実際、数年前までは区別される
事なく、ワカサギとして販売されていて程・・・・・!

先のも述べましたとおり、ワカサギは今や淡水魚です。
しかし、このチカは海水域に生息します。これが最大の違い。

細かい違いを記すとすると、ワカサギより腹ビレがやや後方にある
こと、歯の数がチカの方が少ない点が異なります。



ワカサギの天ぷら
【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。
氷の張つめた湖面に穴を開けて釣り糸を垂らす、諏訪湖や山中湖など
のワカサギ穴釣りは有名です。網漁で有名なのは 陸奥小川原湖の
引網漁や宍道湖の投網漁など。
かつては霞ケ浦で操業された帆曳網、「寒引き」とも言われ冬の風物
詩として詩情がありましたが、現在ではトロール船に交代し、効率を
求めた事から、急速に資源が減少しました。
そのため 早朝 短時間での操業に制限する事により、資源の回復に
努めているとか・・・。
新たな漁場として 最近は、滋賀県琵琶湖から産出される様になり
ました。

ワカサギの唐揚げ

【産地ならではの漁師料理】
なんと言っても、獲れたてを油で揚げる天ぷら・唐揚げが最高。
「ワカサギは死後硬直に入る時間が短い、死後硬直の時間も熟成の時
間も短いんだよ、釣り上げて氷の上に放って置き、【死後硬直→熟成
→天ぷら】の一連の流れを氷の上ですませてしまうのが、最高の味わ
い方だ」と、漁師さんは言います。


ウロコもほとんど無く、気にならないのが良いですね~

もう一つは、「焼ワカサギの酢醤油ひたし」
獲れたてのワカサギを素焼きにし、ひたひたの酢醤油で食べる素朴な
料理。  癖になりますよ~!


         わかさぎ
【栄養と効果・健康】
ワカサギは淡水魚にもかかわらず、多価不飽和脂肪酸を多く含んでい
ます。不飽和脂肪酸の中でもEPAやDHAの占める割合は多く、
淡水魚でDHAの占める割合がオレイン酸より多い珍しいお魚です。


骨も軟らかいので丸ごと食べれ、カルシュウムもたくさん摂取できま
す。
なんと、イワシの10倍のカルシュームを摂取できますよ~

まさに、「健康食品」ですね。

        ワカサギの南蛮漬け










      ワカサギの唐揚げ醤油漬け








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