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平成18年短答式試験[15]

2007-03-08 08:35:00 | 平成18年度短答式試験の解説
意匠の最高裁判例。これは難問でした。
〔15〕次の①~④の空欄に後記の語句群から適切な語句を選んで入れると、意匠法第3条に関する最高裁判所昭和49年3月19日判決についてのまとまった文章になる。①~④の空欄に入れるべき語句の組み合わせとして、最も適切なものは、どれか。

意匠法第3条第1項第3号は、同一又は類似の物品の意匠について ① の立場からみた ② を問題とするのに対し、第3条第2項は、物品の同一又は類似という制限をはずし、 ③ の立場からみた ④ を問題とするものである。

1 ①当業者②混同の可能性
③一般需要者④意匠の創作性
2 ①当業者②美感の類否
③一般需要者④意匠の創作性
3 ①一般需要者②美感の類否
③当業者④意匠の着想の新しさないし独創性
4 ①一般需要者②混同の可能性
③当業者④意匠の創作性
5 ①一般需要者②混同の可能性
③当業者④意匠の着想の新しさないし独創性

【解説】正解は3です。これは4を選んだ人の方が正解できた人よりも多かったという難しい問題でした。とはいえ、最高裁判決文のそのままなので、判決文を引用します。
「思うに、意匠は物品と一体をなすものであるから、登録出願前に日本国内若しくは外国において公然知られた意匠又は登録出願前に日本国内若しくは外国において頒布された刊行物に記載された意匠と同一又は類似の意匠であることを理由として、法三条一項により登録を拒絶するためには、まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、更に、意匠自体においても同一又は類似と認められるものでなければならない。しかし、同条二項は、その規定から明らかなとおり、同条一項が具体的な物品と結びついたものとしての意匠の同一又は類似を問題とするのとは観点を異にし、物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして日本国内において広く知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を基準として、それから当業者が容易に創作することができた意匠でないことを登録要件としたものであり、そのモチーフの結びつく物品の異同類否はなんら問題とされていない。このことを同条一項三号と同条二項との関係について更にふえんすれば、同条一項三号は、意匠権の効力が、登録意匠に類似する意匠すなわち登録意匠にかかる物品と同一又は類似の物品につき一般需要者に対して登録意匠と類似の美感を生ぜしめる意匠にも、及ぶものとされている(法二三条)ところから、右のような物品の意匠について一般需要者の立場からみた美感の類否を問題とするのに対し、三条二項は、物品の同一又は類似という制限をはずし、社会的に広く知られたモチーフを基準として、当業者の立場からみた意匠の着想の新しさないし独創性を問題とするものであつて、両者は考え方の基礎を異にする規定であると解される。したがつて、同一又は類似の物品に関する意匠相互間においても、その意匠的効果の類否による同条一項三号の類似性の判断と、その一方の意匠の形状、模様、色彩等に基づいて当業者が容易に他方の意匠を創作することができたかどうかという同条二項の創作容易性の判断とは必ずしも一致するものではなく、類似意匠であつて、しかも同条二項の創作が容易な意匠にも当たると認められる場合があると同時に、意匠的効果が異なるため類似意匠とはいえないが、同条二項の創作容易性は認められるという場合もありうべく、ただ、前者の場合には、同条二項かつこ書により「同条一項三号の規定のみを適用して登録を拒絶すれば足りるものとされているのである。」(裁判所HPより引用)
 当時の法律は公知形状等に基づく創作非容易性ではなく、国内周知形状に基づく創作非容易性を規定していたものであったが、考え方は現行法にそのまま当てはまります。

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