シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

韓国で火葬場不足が深刻化

2010年05月23日 15時17分55秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 10.1.24記事抜粋)
 1月22日午前、高陽市 (ソウル隣接市)にあるソウル市立碧蹄(ピョッチェ)火葬場。黒いネクタイを締め、やつれた顔のパクさん(62)の表情は暗かった。基礎生活保障(生活保護)受給者の母親は今月19日午後、ソウル市内の病院で亡くなった。95歳だった。政府から支給された葬儀費用50万ウォン(約3万9100円)で何とか葬式を執り行ったが、火葬場を探すのが容易ではなかった。 「碧蹄では、基礎生活保障受給者は無料で火葬ができます。しかし、城南市・水原市で火葬するには、基礎受給者といっても50万ウォンかかります。余裕のない暮らしの中、三日葬(死後3日目の葬儀)をするために遠くまで行き、追加の費用を負担することもできず、予約が一杯だった碧蹄でもう1日待ち、結局四日葬をすることになりました」 最近、韓国の伝統的慣習である三日葬でなく四日葬が増えているのは、火葬率が急増したにもかかわらず、火葬場があまりにも不足しているためだ。碧蹄火葬場を運営する公団は、「09年、ここで葬儀を行った四日葬の割合が15.5%となり、08年(9.6%)に比べ5.9%増加した。大半は午後や夜遅くに亡くなり、予約しようとしても、火葬場の予約が取れない遺族が、仕方なく三日葬を繰り越すケースだ」と説明した。 90年代初めに10%台だった韓国の火葬率は、05年(52.6%)に初めて土葬率を上回って以降、毎年3%ずつ増加し、09年は65%まで上昇した。しかし、全国にある火葬場の数は98年(火葬率27%)の44カ所から10年には50カ所と、12年間でわずか6カ所しか増えていない。 特に、人口が集中するソウル(08年の火葬率72.2%)や京畿道(69.2%)をはじめとする首都圏は、火葬場不足に頭を悩ませている。韓国最大規模の碧蹄火葬場の場合、年中無休で19基の火葬炉をフル稼働させ、火葬を行うなど、「過剰運営」となっているが、増え続ける需要に対応するには力不足だ。そのため、「遠征火葬」も増加している。09年12月、父親を亡くしたソウル市在住のチャンさん(45)は、忠清北道清州市(ソウルから約2時間)にある火葬場まで行かなければならなかった。チャンさんは「父が亡くなってすぐに碧蹄火葬場を予約しようとしたが、すでに予約がいっぱいで取れなかった。碧蹄火葬場では9万ウォン(約7000円)の費用で済むが、清州まで行ったため、火葬費用と葬儀バスの代金だけで87万ウォン(約6万7600円)かかった」と話した。葬儀会社のパクチーム長は、「1カ月にソウルだけで310件ほど火葬による葬儀を行うが、このうち10%に当たる30件ほどは、春川や原州など(ソウルから約2時間)ほかの地域で火葬している」と話した。 全州市立火葬場「昇華院」(ソウルから約3時間)の関係者は、「1日に火葬する3分の1程度が、首都圏などほかの地域からだ」と話した。仁川市富平区(ソウルから約1時間)の市立火葬場も、昨年火葬したうち40.6%はソウルなどほかの地域からだった。こうした状況のため、管内の市民ではない場合、火葬費用として100万ウォン(約7万7800円)かかる。 ソウル地域の火葬率は15年に88.4%、20年には91.7%に達するものと見込まれている。これにより、ソウル市など各地方自治体は追加の火葬施設の確保に努めているが、「迷惑施設」という認識が根強く、住民らの反対が激しいため、新築や増築は難航している。
(投稿者注)日本では、墓は家族墓が基本だが、韓国の墓は土葬で個人墓が基本だった。しかし、墓地にする土地が不足してきたために、20年前ぐらいから、火葬にしてロッカー式の礼拝施設に預けるスタイルが多くなってきた。


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