シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

【萬物相】学校に行く暴力団 

2012年01月10日 22時48分18秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.6記事抜粋)
 風が非常に強いイタリア・シチリア島には、風力発電基地が30カ所もある。政府が補助金を支給し、生産した電気も高値で買い取っているためだ。数年前、北欧からシチリア島の港に運ばれてきた風力発電用の鉄塔2台が爆破された。勢力が衰えたマフィアが、新しい事業として風力発電に参入しようとし、競争相手を脅すため、このような暴挙に出たのだ。マフィアは賄賂を通じ風力発電基地の設置認可を得て、43の会社を運営し「風の帝王」と呼ばれた。2010年に警察に押収された資産だけで19億ドル(約1466億円)に上った。
 21世紀に入り、イタリアのマフィアがクリーンエネルギーにまで参入している一方、日本のヤクザは偏狭な行動に出た。親戚や警察を名乗って電話を掛け、金を要求する「振り込め詐欺」が新たな資金源となった。また、公衆トイレや温泉施設の脱衣場などに隠しカメラを取り付け、撮影した動画を販売している。「ヤクザは庶民を苦しめない」という原則まで崩壊したのは、大きな収入源であるヤミ金が、長引く不況によってうまくいかなくなったためだ。
 韓国の暴力団も「21世紀型」へと変ぼうを遂げている。黒いスーツ、角刈りの頭、竜をあしらった入れ墨といった暴力団独特のスタイルは姿を消し、表面上は一般人との見分けがつかなくなった。刃物や鉄パイプを振り回して暴れるのではなく、タブレットPCやスマートフォンを操り、株価操作や企業の買収に乗り出した。暴力団の取り締まりを担当する部署を、強力(凶悪犯罪担当)班から知能犯罪係に変更すべきという声まで出ている。
 2001年に公開されたユン・ジェギュン監督の映画『マイ・ボス・マイ・ヒーロー』は「暴力団も学ばなければ生きていけない」という点に着眼し、大ヒットした。暴力団の若頭が、高校を卒業しろというボスの命令を受け、私立高校に通うというストーリーのコメディー映画だ。主人公は学校を経営する法人の横暴に立ち向かい、生徒や教師たちを救った。一方、1月5日付の本紙社会面に掲載された「暴力団が大学学生会を乗っ取り会費着服」という記事は、映画とは逆に、暴力団が大学の学生会を乗っ取ったという内容だ。
 全羅南道光陽市に拠点を置く暴力団の若頭は、30歳だった2004年と、2年後の06年に、同市の専門大学(短大に相当)の定員割れしていた学科に入学した。その後、ほかの学生たちを脅して学生会長選挙に無投票で当選し、学生会費を暴力団の資金として流用した。さらに1年間の任期を終えると、自分の言うことを聞く学生を当選させた。このような手段で着服した金は4億ウォン(約2660万円)に達した。これは、新たな収入源を求めて躍起になっている日本のヤクザも舌を巻く発想だ。「利権のあるところなら、どこにでも行く」という暴力団の行動力には驚くばかりだ。
呉太鎮(オ・テジン)論説委員




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