シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

円安が韓国経済に与える影響、来年から本格化か

2014年10月10日 09時13分22秒 | Weblog
韓国大手新聞 朝鮮日報14年10月8日記事抜粋
 今年7月から始まったドル高はこれまでとは異なる特徴がある。第一にこれまでにないほど世界がフラット化した状況(経済が一体化し、同じ条件で競争する状況)で起きている点だ。このため、ドル高の影響が直ちに全世界に波及し、勝者と敗者を分けている。第二に世界経済の温度差と各国中央銀行の通貨政策の二極化が進む中でのドル高である点だ。韓国にとっては、為替問題がドル・ウォン相場だけを見守ればよい「2次方程式」ではなく、ドル・円相場も注視しなければならない「高次方程式」に変化した。
 今回のドル高が過去とは異なるのは、前例のない円安を伴っている点だ。世界的な金融危機以降、ウォンがドルに対し値下がりする局面では、円が安全資産と見なされ、対ドルで上昇していた。例えば、2010年4月に起きた南欧の財政危機では、為替市場が動揺し、ウォンが対ドルで11%下落したが、円は2%上昇した。アベノミクス以降はウォンと円が同じ方向に動いており、しかも円の下落幅がウォンを上回っている。昨年上半期のウォン安局面では、ウォンは対ドルで9.5%下落したのに対し、円は9.2%の下落だった。しかし、現在の局面はウォンが5.7%下落したのに対し、円は7.4%も下落した。
 「ウォンより弱含む円」という状況はしばらく続きそうだ。金融緩和で円安を維持する日本の通貨当局の姿勢が明確なためだ。
 こうした速度差が韓国に与える影響については、専門家の間で意見が分かれる。日本の専門家はアベノミクス以降の円安で韓国の輸出には大きな影響がなく、円安が今後ずっと続くとは思えないとの立場だ。しかし、円安の効果が来年から本格化するとの見方もある。
 現代経済研究院のイ・ジュンヒョプ経済動向分析室長は「アベノミクス以降の円安で日本企業は収益を高めることを重視し、輸出商品の価格を大幅には引き下げなかった。来年から日本企業が市場シェアを確保するため本格的な価格競争に乗り出せば、韓国企業には打撃になる」と予測した。
■新興国に資金流出圧力
 今回のドル高を触発した米国の景気回復への期待感は、株式市場をはじめとするリスク資産の値上がりにつながっている。しかし、今回は世界の資金が景気回復よりもドル高に注目し、新興国や原材料といったリスク資産から資金を引き揚げ、ドル建て資産、特に安全なドル建て債券に投資している。中国や欧州連合(EU)などの状況からみて、世界的な景気回復に対する期待感が低い中、ドル高と米国の利上げによる収益に期待が高まっているためだ。NH農協証券によると、9月25日から10月1日の1週間に世界の株式型ファンドからは100億ドル以上の資金が流出し、債券型ファンドには米国を中心に91億ドルの資金流入があった。韓国の株式市場でも年初来8月までに9兆ウォン(約9100億円)近くを買い越した外国人が10月は1兆5000億ウォン(約1500億円)を売り越した。しかし、ドル高が招いた新興国からの資金流出は、新興国の勝者と敗者を分ける契機となりそうだ。昨年6月に米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が量的緩和縮小に初めて言及し、世界同時株安を招いた「バーナンキショック」の際も当初は新興市場から全面的に資金が引き揚げられたが、「韓国は違う」という認識が広がり、売り攻勢が沈静化した。
 英フィナンシャル・タイムズは10月5日、「ドル高が続けば、新興国の資金問題が深刻化するが、その影響は国によって異なる」と指摘し、ブラジル、インド、インドネシア、南アフリカ、トルコを脆弱(ぜいじゃく)な国として挙げる一方、韓国、フィリピン、マレーシアなどは危険性が低いとした。
■ドル高ペース、FOMC次第
 専門家の多くは経済環境からみて、現在のドル高が長期化するとみているが、そのペースは和らぐと予想する。10月28、29の両日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会合で米国の通貨政策に対する不確実性が解消されるかどうかが鍵だ。IBK投資証券のシン・ソンホ社長は「ドル高は主要国のうち米国だけは正常化するというシグナルであり、これまで下落幅が小さかったウォンが下落するという点では必ずしも悪材料ととらえる必要はない。問題は速度だが、米国が完全な景気回復局面に入ったかどうかについてはまだはっきりしない部分がある。最近の急激な為替変動は投機的な要因があるため、沈静化しそうだ」と分析した。
チェ・ギュミン記者


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。