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ソウル地下鉄事故:新旧の制御装置を8年間併用

2014年05月08日 14時00分45秒 | Weblog
韓国大手新聞 朝鮮日報14年5月6日記事抜粋
「エラー頻発していたはず」
ソウルメトロは信号系統に異常があることを知りながら三日間も地下鉄の運行を強行していたことが分かった。このため、5月2日に発生した地下鉄2号線・上往十里駅での追突事故も典型的な人災であることが明らかになった。
■管制所は発生2分後に事故把握
 電車の運行を制御すべきソウル地下鉄総合管制所は、事故を防止できなかっただけでなく、事故があったことを発生2分後に初めて知ったということが分かった。しかも、地下鉄にいた市民が緊急通話装置で通報したから知ることができたという状況だった。ソウルメトロ関係者は「管制システムが旧型なので、電車が正確にどのような状況にあるのか管制所ですべて把握するのは難しい」と話す。ソウル地下鉄総合管制システムは30年前に設置されたものだ。
 先発の電車の運転士が内部規定を破ったと疑惑も持たれている。司法当局によると、事故時に先発の電車は上往十里駅に午後3時28分10秒ごろ到着した。この電車は3時30分まで約2分間停車した。ソウルメトロの内部規定によると、電車が1カ所に40秒以上停車する場合、運転士は速やかに管制所にそれを伝えなければならない。しかし運転士は管制所にこれを報告していなかったという。司法当局関係者は「この時はホームドアに問題が発生したため、先発の電車の運転士がドアを数回開け閉めしたことから出発が遅れたと聞いている」と言った。先発の電車の運転士が管制所にすぐに出発遅延を報告していれば、管制所は後続の電車にこれを知らせ、事故を防ぐこともできたはずだった。
■異なる自動制御装置を併用
 またソウルメトロは、地下鉄2号線ではシステムが異なる旧型列車自動停止装置(ATS)と新型自動列車運転装置(ATO)を8年間併用していたため事故の危険性が高まっていたことも明らかになった。
国土交通部(省)関係者は5日、「システムを改良する時は今回のように予期せぬエラーが起こる可能性が高いため、システムを併用する期間を最小限にとどめるのが原則だ。ソウル市とソウルメトロは予算を節約するため老朽化したATS車両がすべて廃車になるまで、そのまま運行させようとしたのだろう」と話した。
 ATSは旧型で、線路の信号機と連動して電車同士が追突する危険がある時に自動的に停止させるシステムだ。一方のATOは自動運転システムで、ATSよりも進んだ技術が用いられている。
 国土交通部関係者は 「システムが異なるのに、旧型システム(ATS)と新型システム( ATO )をこのように長期間、併用する国は世界的に見てもない。実際に発生したシステム・エラーの数は、これまで明らかになっているものよりも多いはずだ」と話した。
 ソウルメトロは2006年から地下鉄2号線の運行システムを旧型ATSから新型ATOに改良する作業を進めている。しかし、現在2号線で運行している電車88本のうち、50本は今もATS車両だ。作業開始から8年たったが、ATSとATOが併用されている線路上をATSを付けた旧型車両とATOを付けた車が混在して走っているということだ。当初2012年までに終了する予定だったATO改良事業は、予算の都合で事実上、放置されている状態だ。
 鉄道専門家は「旧型ATSに対応している1号線より、2種類の運行システムが混在している2号線の方が危険だ」と指摘した。国土交通部関係者は「調査の結果、ソウルメトロは線路に設置されたATOの情報をATS信号機に伝達して信号表示する二重方式を使っていた。エラーが発生する可能性がより高い構造になっている」と述べた。
 鉄道技術研究院のワン・ジョンベ責任研究員は「ソウルメトロは関連予算の確保に消極的で、『大丈夫だろう』という考え方をしてきたため、安全に鈍感になっている。これはソウルメトロだけでなく、経営難に陥っている韓国の鉄道運営機関すべての問題だ」と指摘した。
郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者


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