シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

低迷する韓国経済:ソウルのオフィス、10室中2室は空室

2015年12月29日 19時13分15秒 | Weblog
-不動産・流通市場も黄信号
「昔は30%セールでも大繁盛…今は70%でも買うかどうか」
 「70-80%引きセール」「30万ウォン(約3万円)以上お買い上げのお客さまにもれなく済州島往復航空券贈呈」
 12月10日午前11時ごろに訪れた京畿道竜仁市竹田のロデオ通りにある衣類常設割引売り場の前に掲げられていたポスターの文句だ。1.5キロにわたる道路の両サイドには約100店舗が密集しており、こうした割引文句が掲げられていない店舗は片手で数えられるほどしかなかった。A店のキム・ジョンソプ店長(39)は「商売あがったりで今夏から30万ウォン以上お買い上げのお客さまに航空会社の航空券を贈呈している。それでも今年の売り上げは昨年に比べて40%減った」と首をうなだれた。登山服売り場を運営しているユさん(40)は「以前は30%セールでも多くのお客さんが訪れたものだが、昨年からは50%、今年は70%と割引率を引き上げている」と話す。
 伝統市場はもっと深刻だ。12月9日の昼食時、ソウル中部市場で干し魚を売る「プルム商会」の売り場の半分は、ハローキティの人形が占領していた。オーナーのコさんは「夫と20年以上も商売してきたが、今年のような不況は初めてだ。たまに訪れる外国人観光客があるいは買うかもしれないと思って人形を持ってきた」と話す。
 実際国内の流通企業は今年一年を割引セールで食いつないだ。「韓国版ブラックフライデー」(10月)、「Kセールデー」(11月)などさまざまな名分を掲げた。デパート業界トップのロッテデパートは創立40年目で初めて展示場を借りた出張セールを4回も行った。あるデパートの役員は「セールでなければ消費者は買わない」と断言する。
 さらには内需市場の大黒柱だった不動産も陰りを見せている。ソウル市中区明洞と共に全国で不動産価格が最も高いとされているソウル市江南大路のビルの空室率は、歴代最高水準である18.5%を記録した。賃貸料に負担を感じたIT企業が城南市盆唐区板橋やソウル市麻浦区上岩などに移動したり組職を縮小したりして使用空間を減らしたためだ。これまで景気が良かった時期には、空室が生じれば他の成長企業がこぞって入居したものだが、今はこうした企業が見当たらないのだ。こうした現象は、まるでドミノのようにソウル全体に拡大し、7-9月期にはソウル市内のオフィスの収益率(4.57%)が12年ぶりの最低水準となった。
 こうした異常を示す兆候は、住宅市場でも見え始めている。今年11月のマンションの売買件数(1万28件)は前月に比べて14%減った。今年10月の首都圏の未分譲住宅(1万5576世帯)は3カ月ぶりに増加基調へと転じた。今年は各地で分譲されたため、2-3年後には供給過剰が拡大。家賃が低下するとの悲観論も出始めている。
 現代経済研究院のイ・ジュンヒョプ室長は「企業輸出の減少と家計所得の停滞といった経済状況が、もともとさえなかった消費市場はもちろんのこと今年初めから好況だった不動産市場さえも低迷させている。韓国経済が構造改革をしなかったら、不況から脱する方法はない」と警笛を鳴らした。
キム・ソンミン記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年12月28日記事抜粋


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