シニア花井の韓国余話

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ソウル大医学部、南北統一に備え医療対策を準備

2012年06月11日 20時17分12秒 | Weblog
韓国大手紙・ 朝鮮日報12年6月10日記事抜粋
ソウル大医学部に統一医学センターを設立する李旺載教授
北の住民がかかりやすい病気を研究、平壌大と学術交流推進も
脱北者の医師免許取得を支援予定
 「まもなく統一するのではないですか。そのときのために社会を治療する医師にならなくては」
 ソウル大学医学部が「統一医学センター」を開設する。医学部の教授と、韓国入りした元医師の脱北者3人など、19人が南北統一に備え、韓国と北朝鮮の医療サービスの格差を縮めようと設立するものだ。大学や研究機関が統一後の医療対策に向けて準備するのは、今回が初めてだ。
 ソウル大は6月11日にソウル市鍾路区の医学部本館2階で統一医学センター開所式を行い、研究活動を開始する、と6月8日に発表した。統一医学センター長には、ソウル大医学部解剖学教室の李旺載(イ・ワンジェ)教授が就任する。
 李教授は8日、本紙とのインタビューで「食糧難に苦しむ国家で最も多く発生している3大疾患(結核、肝炎、胃腸病)だけでなく、韓国入りした脱北者が最もかかりやすい病気を研究するのが重要課題だ。統一が急激に実現した場合に備え、あらかじめ危機管理を行う目的で企画した」と話した。
 まずは「教育」からだ。ソウル大学は元医師の脱北者が韓国で医師免許を取得できるよう支援する一方で、脱北医師たちと共に南北医学用語辞典を編さんする計画だ。李教授は「北朝鮮では、放射線科を『レントゲン科』と、臨床病理士を『実験医師』と呼ぶ。韓国で使われている医学用語が英語に比重を置いているように、北朝鮮の医学用語は自国語やロシア語が多く、統一後、医師と患者の正確な意思伝達のため、用語の統一が急がれる」と話している。現在、ソウル大医学部で学んでいる元医師の脱北者は6人(学士3人、修士・博士3人)で、全国の医学部には約50人いる。北朝鮮で医師免許を取得した脱北者については、医学部の本科に相当する学力を認定している。
 これ以外に、南北統一医学フォーラムも推進する。李教授は「南北保健医療の人材を段階的に統合していくため、ソウル大と平壌大の医学部間の学術交流を推進する計画だ。まずは中国など第3国で面会する方法などを検討中だ」と話した。
李教授は、統一前の活発な交流により、医療体系をうまくコントロールした国家として、ドイツを挙げた。統一後、旧西ドイツの医療制度を中心に体系を整備し、統一からわずか2年で医療体系の統合を成し遂げた。1989年にベルリンの壁が崩壊してから1年で1万人の旧東ドイツ出身の医師が旧西ドイツ地区に移住した。新たな医学知識、医療機器、医療保険などに適応するため苦労したが、統一前から旧東ドイツの医師たちを西ベルリンの学界や勉強会などに参加させ、双方の距離を縮めてきたのが役に立った。ソウル大医学部の姜大熙(カン・デヒ)学部長は「韓国に定着した脱北者の医師たちと協力し、統一後の南北医療体系が効果的に運営されるよう取り組んでいきたい」と話している。



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