シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

与党の修正要求、朴大統領はまた突っぱねるのか【社説】

2015年02月06日 08時30分11秒 | Weblog
与党セヌリ党の新しい院内代表にユ・スンミン議員が選出されたことで、重要政策課題に対する与党と大統領府との考え方の違いがこれまで以上に鮮明になりつつある。セヌリ党のツートップともいえる金武星代表とユ・スンミン院内代表は「党・政府・大統領府の3者の中では党が最も優位にある」と述べ、露骨に大統領府をけん制したただけでなく、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対しては、その重要公約である「増税なき福祉」の見直しを求めている。金代表は国会での演説で「首相や閣僚たちは憲法と法律が定めた政策と人事の権限を、信念に基づいて行使すべきだ」と訴え、朴大統領があらゆる政策に口出しすることを公の場で問題視した。またユ院内代表も「国民は(大統領が)秘書室長と数人の秘書官を交代させただけで人的刷新が行われたとは考えない」と述べ、より具体的な言葉で朴大統領を批判した。
 これに対して大統領府報道官は2月4日「(福祉のための)増税についてはこの場で言及しない」と前置きした上で「人事については大統領固有の権限だ」とくぎを刺すにとどめた。このように与党からの批判に大統領府が直接の反論を控えたのは、問題を大きくしたくないことの表れだろう。また朴大統領も前日の国務会議(閣議に相当)で大統領府と内閣が緊密に連携するよう求めた一方で、セヌリ党と大統領府との関係や、金代表とユ院内代表の発言については一切言及しなかった。これらも全て同じ理由と考えられる。
 今回与党執行部は朴大統領に対し、政策課題の見直しと人事の失敗を認めることに加え、政権運営全体の方向性そのものも修正するよう求めている。しかしこれはおそらく難しいだろう。かつて世宗特別自治市の問題でも明らかになったように、朴大統領はその政治スタイルとして政策見直しの要求を簡単には受け入れないからだ。また一度政策を見直してしまうと大統領府の求心力が低下し、早期にレームダック(政権末期の権力喪失状態)化してしまう恐れもある。これは大統領府としても絶対に避けたいところだ。与党などからはこれまで非現実的な公約の見直しや、いわゆる「権力3人組」に対する人事などが求められてきたが、朴大統領がこれらをことごとく受け入れなかったのもおそらくは同じ理由だ。だからといって朴大統領が今後も与党からの要求を突っぱね続けるのもやはり難しいはずだ。3年目の任期を迎える今年は、朴大統領にとって具体的成果を挙げることのできる事実上の最後のチャンスだが、与党の後押しがなければ、公務員年金や教育改革、労働改革など、どれも今年中の実現は見込めそうもないからだ。
 朴大統領も与党からの要求にどう対応すべきか頭を痛めているはずだ。それは今週中に予定されていた内閣の一部改造や秘書室長、政務特別補佐チームの人事が先送りされたことからもうかがえる。また朴大統領は最近の支持率急落を受け、機会があるたびに「意志疎通」や「開放」を強調し始めた。与党と対立するかのような今の状況を改善する糸口も、間違いなくこの二つの点にしかない。朴大統領は一日も早くセヌリ党の執行部と会って率直に意見交換し、立場や考え方の違いを修正して解決策を見いださねばならない。しかしこれさえも先送りされると、セヌリ党と大統領府のすれ違いは一層深刻になり、国民からはより厳しい目が向けられるだろう。セヌリ党と大統領府が国の将来と国民の利益のため立場の違いを乗り越え、国民を感動させることができれば、現在の危機的状況はいくらでも反転のチャンスとすることができる。それこそが政権担当者に求められる度量であり、真の政治力ではないだろうか。
韓国大手新聞  朝鮮日報15年2月5日記事抜粋


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。