シニア花井の韓国余話

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【コラム】韓中関係、過度に楽観視する韓国

2014年07月11日 12時44分11秒 | Weblog
韓国大手新聞  中央日報14年7月9日記事抜粋
先週、中国の習近平主席がソウルで朴槿恵(パク・クネ)大統領に会った。李明博元大統領の時期には韓中関係に緊張が生まれたので中国との業務関係を改善しなければならないという必要性が提起された。朴大統領は「以前の状態」の復元という予想を上回った。大統領府は韓中関係が史上最高になったことを誇るに十分だ。
韓国国民は、韓中関係の上昇気流を支持している。韓中首脳会談前に峨山政策研究院が実施した世論調査で「中国は競争国ではなく協力パートナー」という回答が60.8%だった。調査が始まって以来の最高値だった。70.8%は両国関係が今後さらに向上すると見通した。
外部から見ると、韓国政府と国民の中国観は、領域内の他国家に比べて不思議なほど楽観的だ。米国・豪州・日本・インド・東南アジアの世論調査では自国と中国の関係の未来についての信頼性は下がっている。海洋領土紛争が激しくなる中で中国が力を振り回しているためだ。
米国の政府官僚は、韓国を中国に「奪われる」という憂慮は全くしていないという点を明確にした。最近、自身の新しいユーラシア安保構想にソウルを引き込もうとした習近平の下手な試みがあったにもかかわらずだ。米国のこうした見解は、韓米両国間の緊密な業務関係、そして韓国国民は歴史的に韓米同盟を好むという事実を反映している。また対米好感度は、史上最も高い水準である対中好感度よりもはるかに高い。
多くのアジア諸国が、中国が自国の安保環境を悪化させると見ているのとは違い、韓国人は中国が韓国が処している安保状況を改善する可能性について期待をかけている。峨山政策研究院の調査で82%の回答者は韓半島(朝鮮半島)統一のために中国の協力が必要だと話した。
多くの中国官僚や専門家たちは、北朝鮮の第3次核実験と張成沢処刑以後、平壌に対する中国の立場の変化は「戦術的」であり「戦略的」なものではないということを強調している。習近平は金正恩(キム・ジョンウン)を嫌っているかもしれない。張成沢の処刑以後、朝中関係は萎縮した。北朝鮮の挑発で6カ国協議に対する中国の信頼は消えた。それにもかかわらず米国が6カ国協議に復帰するよう圧力を加えなければならないという以外に、次の段階についての中国の別の考えはない。
現在としては、統一という長期的イシューで北京から期待できるものはあまりない。習近平は、中国が「自主的な」韓半島の統一を支持すると話した。これは統一過程で南北の相互合意が必要だということを別に表現したのだ。仮説レベルでは可能なことだ。金大中元大統領の3段階統一案ともおおむね一致する。だが、北朝鮮が不安定な状態や崩壊に直面する可能性がより大きい。そのような場合、南北相互合意に出られる勢力が北朝鮮にあるだろうか。でなければ中国はソウル主導の統一に同意するだろうか。この質問に対する答は今後変わることもあるが、現在としては「違う」だ。
近い未来に危機的状況が展開するならば、中国は北朝鮮を放棄するだろうか。峨山政策研究院の世論調査によれば、回答者の30.9%だけが戦争状況で中国が北朝鮮を助けると答えた。2012年調査で出た75.9%に比べて大きく下がった数値だ。中国の政策は変わっていないにもかかわらず、韓国人の見解が大きく変わったのだ。変わったことがあるとすれば、習近平-朴槿恵関係の向上と、習近平-金正恩関係の悪化だけだ。朝中安保条約と朝中軍部間の連帯は、いまだに有効だ。もし北朝鮮が単独で韓国や米国を攻撃するならば、論理的には北京が横に退いて平壌が報復にあうよう放っておくのが筋だ。だが、より複雑なシナリオも可能だ。北朝鮮に内戦が発生するかもしれず、北朝鮮内の急変事態に韓国が引き込まれるかもしれない。韓半島をめぐる中国の国家利益と、朝中連帯を勘案すれば、中国はより積極的に統一を妨害する事もでき、露骨に平壌を軍事的に支援することもできる。
今としては北京が韓国の利益と符合するよう行動しているとは期待できない。非武装地帯の北側で起きる可能性のある事態に対する多くのシナリオでそうだ。一部のシナリオによれば、北京が韓国の政策目標に積極的に反対する可能性もある。
韓国は中国に対するバランスの取れた現実主義的な見解を維持しなければならないが、韓国が韓中関係の改善自体を中断する理由はない。いつかは中国の対北朝鮮政策に相当な変化がある可能性もある。例えば最近、中国内のある世論調査で中国人回答者の32%は中国が武力で北朝鮮を「民主化」させなければなければならないと答えた。
慎重な外交戦略は第三者が短期的に何かをすることであり長期的に第三者をどのように説得するのかを問い詰めなければならない。もしソウルが中国の韓半島アプローチ法に影響を与えたいならば、北京に「求愛」するだけでは不充分だ。中国が言葉だけでなく行動で韓国人の信頼を得なければいけない必要性を悟らせなければならない。これは韓国が全方向的な外交を強化しなければならないということと、片一方の外交ラインにだけ力を注いで頼ってはいけないということを意味している。
マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)副所長







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