シニア花井の韓国余話

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平壌に大富豪出現、貧富の差が拡大する北朝鮮

2013年08月27日 00時58分07秒 | Weblog
韓国大手新聞 朝鮮日報13年8月25日記事
富める者はますます豊かに、貧しい者はますます貧しく
「北朝鮮のサムスン」こと朝鮮富強会社、社長兄弟の資産は数百万ドルに
収益は朝鮮労働党と折半、富の集中で政経癒着も
北朝鮮は徹底した1対9の社会に転落、平壌市民250万人への配給は遅滞なし
地方の農民は米を借りて食いつなぐ…市場経済化が進み貧富格差が深刻に
 北朝鮮に市場経済が少しずつ浸透しつつある中、住民の間では「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」現象が進行している。平壌では金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記の支援を受けて事業を独占する実業家らが登場する一方、地方の農民の間からは「今年死ななければ、来年になって後悔する」という声が出るほど、生活が苦しくなっている。
■北朝鮮にも財閥が登場
 今年3月、世界的な投資家として知られるジム・ロジャーズ氏がシンガポール国際コインフェアに姿を現し、1個2500シンガポール・ドル(現在のレートで約19万4000円、以下同じ)の北朝鮮の金貨13個と、同じく1個70シンガポール・ドル(約5400円)の銀貨数百個を購入した。記念硬貨として作られたこれらのコインは、全て北朝鮮の富強鋳貨会社が出品したものだ。富強鋳貨会社は北朝鮮の大企業である朝鮮富強会社の系列企業だ。
 朝鮮富強会社は朝鮮労働党第2経済委員会の「指導」を受けているが、実態はチョン・スンフン氏が事実上の独自経営を行っているという。チョン・スンフン氏はチョン・ミョンス元中国駐在北朝鮮大使の息子で、以前は金日成(キム・イルソン)大学の教授を務めていた。
 この会社は主にオートバイの輸入、製造を手掛ける一方、金属、機械、化学、エレクトロニクス、製薬など八つの子会社を従えており、また硬貨用の金を供給する金鉱も保有している。
 富強製薬の血栓溶解剤「血宮不老錠」は韓国でも販売されたことがあり、また同社はミネラルウオーターの会社も経営している。朝鮮富強会社の年間の取引額は1億5000万ドル(約147億円)に達し、北京やモスクワなど海外にも15の支社を構えている。2009年に国連安全保障理事会の制裁リストに名前が載ったことで、対外的な取引は少なくなっているが、北朝鮮では今も活発な事業を展開している。
 IBK企業銀行経済研究所のチョ・ボンヒョン研究員は「富強グループは韓国のサムスンに相当する大企業集団だ。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が権力を握った後も順調に事業を行っているようだ」と述べた。チョン・スンフン氏の弟のチョン・ヨンフン氏は朝鮮労働党財政経理部所属の会社で社長を務めており、北朝鮮ではディーゼル油の輸入を独占しているという。ある韓国政府筋によると、北朝鮮の大企業はその収益を朝鮮労働党と5対5で分け合っており、またチョン氏兄弟の資産は最低でも数百万ドル(100万ドル=約9800万円)に上るとみられるという。
チョン氏兄弟以外では、チャ・チョルマという人物も北朝鮮の富豪として知られている。チャ氏は元外交官で、最高人民会議常任委員会の下で外貨稼ぎの仕事を独占し、数百万ドル以上の資産を集めてきたという。統一研究院のある関係者は「北朝鮮でも市場経済が浸透し、富の集中に伴う初歩的な独占・寡占が進んでいるようだ。朝鮮労働党の幹部などと近い政経癒着型の富豪も登場し始めている」と語る。専門家は北朝鮮の企業経営者について「直接市場に出にくい党幹部の『黒い金』を代わって投資し、その収益を党幹部に渡すという形も少なくないのではないか」と推測している。
■北朝鮮も急速に「10対90社会」へ
 専門家は「1990年代の経済危機をきっかけに、北朝鮮では徹底した『10対90社会』が形成された」とみている。食糧配給は党中央の幹部など、平壌を中心とした地域に居住する100万人と、人民武力部、保安省、国家安全保衛部など150万人の軍関係者などにのみ行われている。平壌出身のある脱北者は「中でも最高の特権階層は韓国産や中国産の食料品でさえ『信じられない』といって口にしない。彼らは平壌竜城第1特殊食料品工場で製造される北朝鮮産の最高級品しか食べない」と明らかにした。
 これに対して地方の一般農民や労働者は、毎日の食事さえ心配しなければならないのが実情だ。北朝鮮の内部事情に詳しいある政府筋は「2011年の凶作の影響で、昨年7月から米をはじめとする食料品の物価が大幅に上がった」「高利で米を借りて食いつなぐ人たちの間では『今年死ななければ、来年には後悔する』と自嘲する言葉がはやっているほどだ」と述べた。
 韓国の北韓大学院大学の梁文秀(ヤン・ムンス)教授は「市場経済化が進んでいる影響で、住民の間でも貧富の差が拡大しているが、これはある意味普遍的な現象だ。ただしこれが北朝鮮社会で葛藤を広める不安要素となるか、あるいは北朝鮮で携帯電話の普及台数が250万台を突破したと報じられたことからも分かるように、中間階層を拡大させるきっかけとなるか、今後の推移を見守っていかねばならない」と語った。





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