シニア花井の韓国余話

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【コラム】ソウルに「中国の風」、平壌に「日本の風」                        

2014年07月11日 23時30分00秒 | Weblog
韓国大手新聞  朝鮮日報14年7月8日記事抜粋
北東アジア3カ国指導者間のねじれた対話は「非正常的」
同盟内容と質が変わる転換期、韓国は決してぶれてはならない
 習近平・中国国家主席が3日、西風に乗ってソウルにやって来た。中国の最高指導者が就任後、北朝鮮の平壌よりも韓国のソウルに先に来たのは初めてのことだ。習主席が複数の国を順に巡るのではなく、1カ国だけを訪問するのも初めてのことだ。共産党の一党独裁である中国の最高権力者の姿を、韓国の大学の公開講演で見る日が来ようとは想像すらしていなかった。
 習主席がソウル空港に足を降ろす数時間前、日本の安倍晋三首相は北朝鮮に対する経済制裁を一部解除すると発表した。2006年7月の北朝鮮によるミサイル発射で対北朝鮮制裁が始まってから8年後のことだ。北朝鮮が発表した日本人拉致被害者特別調査委員会の構成を見ると、問題解決への誠意が感じられるという。安倍首相が年内に訪朝するという話や、日朝外相会談が来月開催に向け推進されているという話も飛び込んできた。午前中は東風に乗ってきた「日本の風」が平壌を、午後には西の風に乗ってきた「中国の風」がソウルを駆け抜けた一日だった。
 さすが中国、そしてさすが日本だ。韓国人の台所にスプーンが何本あるかなどというのはもちろん、体に毛穴が幾つあるかまで知っているかのようだ。習主席は歴史の急所を突いてきた。ソウル大学の講演では「20世紀前半、日本の軍国主義者たちの野望による侵略や領土強奪で中国も韓国も大きな苦難を味わった。当時、両国国民は生死を共にし、互いに助け合った」と述べた。さらに、歴史を数百年さかのぼり、壬辰倭乱(じんしんわらん、文禄・慶長の役)を引き合いに出して「歴史上、危機的な状況が起こるたび中韓両国は助け合って(危機を)克服してきた」とも言った。
 現在の状況や必要性を反映させながら、書き換え続けられるのが歴史というものだ。日本に安倍政権が発足して以来、歴史歪曲(わいきょく)問題が時と場所を選ばずぶり返すのが北東アジアの現状だ。中国にとって最大の安保上の懸念は、米国が主導し、日本が積極的に呼応することで形作られる「中国阻止線」で、韓国がどのような役割を担うかだ。習主席の韓中関係史講義は、こうした北東アジアの状況と韓米日間の最も弱い部分を探る中国の安保上の必要性を念頭に置いて聞かなければならない。現状打開のため歴史問題の力を借りようとする中国と、歴史問題の重さに押しつぶされて現状打開の緊急性が後回しになっている韓国の違いがうかがえる大きな部分ともいえる。
習主席が腹にある一物を隠しながら韓中関係史講義をしたとすれば、対北朝鮮制裁解除を発表した安倍首相の緊急記者会見はその腹中がはっきりと透けて見えていた。日本が拉致された国民の救出を最優先課題とするのは当然だ。安倍首相がこの問題を自身の支持率回復手段の一つにするのも不思議ではない。しかし、安倍首相に本当に韓日関係を改善する気持ちがあるなら、制裁解除を発表する方法や時期としてこうした選択はしなかったはずだ。安倍首相は自身の会見が「中国の国家主席がソウルを訪問しているから、日本の首相は平壌を相手にしている」かのように韓国人の目に映り、不愉快な過去を思い出させることに全く気付いていなかった。
 表面上は、この二日間における北東アジアという舞台の主人公は朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領、習主席、安倍首相に見える。しかし、よく見てみると、この3カ国の指導者たちは全員、その会談相手の肩越しに別の誰かを意識していた。それはオバマ米大統領だ。朴大統領は「韓中共同で来年、抗日70周年記念式典を行おう」という習主席の提案にイエスともノーとも答えなかった。韓中共同声明や韓中共同記者会見でも日本の問題はスルーした。韓米日の連携が乱れることを懸念する米国への配慮だ。習主席はソウル大学公開講演で露骨に日本を批判しながらも、米国については言及しなかった。安倍首相は対北朝鮮制裁解除を発表したが、核問題やミサイル実験に対する国連制裁は除外した。どれも背後にいる米国の目を意識した言動だ。韓中、韓日、中・日関係で最も重要な当事者の一人が米国だということだ。
 北東アジアは現在、「非正常」が日常になってしまった。朴大統領と習主席は5回顔を合わせたにもかかわらず、朴大統領と安倍首相、習主席と安倍首相は実際に一度も首脳会談を行っていない。そうして相手に対し疑念を膨らませてきた。対話は問題を解決するためだけの手段ではない。相手の間違った判断を防ぐ安全装置でもある。北東アジアは安全装置がなくなった地雷原になろうとしている。
 北東アジア3カ国の指導者間における、ねじれた「非対称的対話」状態の最大の責任は安倍首相にある。国際関係では責任の多さにより結果の負担割合が決まるわけではない。責任の多さに関係なく状況悪化の共同犠牲者になるケースは珍しくない。
 北東アジアは同盟の内容と質が同時に変わる転換期にある。「チャンスの窓」も「ピンチの窓」も随時開いたり閉じたりしている。3日は一日中、「中国の風」がソウルを、「日本の風」が平壌を吹き抜けた。今、韓国を揺さぶっているのは「風」なのか、それとも「風」が吹く前に韓国の意思が揺れているのか、冷静に把握しなければならない。韓国は決してぶれてはならない。
姜天錫(カン・チョンソク)論説顧問
(投稿者注)
「北東アジア3カ国の指導者間における、ねじれた「非対称的対話」状態の最大の責任は安倍首相にある」とのことだが、韓国も中国も何も悪くないというのだろうか?
客観的な判断が求められる大手新聞の論説顧問ですら、客観的な大局的な思考ができないようだ。
反日思想から仕方がないのだろうが、そろそろマスコミが韓国民をいつまでもミスリードしないで、客観的な大局的な思考が出来るようになれば、日韓問題も少しは改善されるのだが・・・。
韓国が変らないと無理だろう。





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