シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

ずさんな調査で総選挙に影響力を行使した世論調査会社【社説】 

2016年04月16日 07時07分07秒 | Weblog

写真:露店の時計修理(投稿者撮影)

今回の総選挙では投票前のずさんな世論調査が大きな影響力を行使していた。選挙前、調査会社の多くは与党セヌリ党の過半数確保と野党「共に民主党」の惨敗を予想していたが、結果は正反対だった。同じ選挙区に住む有権者を対象に、同じ日に行われた二つの会社の調査では、ある項目で30%近い大差が出るケースもあった。わずか1日や2日で調査結果が10-20%も変わるとか、当選予想が次々と変わるような調査など珍しくもなかった。これらのずさんな調査は国民の投票行動や各党内で行われる予備選などにも一定の影響を与えることから、調査会社が自らの影響力を意図的に悪用し、選挙結果を思い通りにしようとするようなケースさえあった。
 不正な調査も多かった。ソウルでは党員を対象にしたアンケート調査の結果を、一般の有権者に対して行ったかのように見せかけたとして、セヌリ党のある予備候補が身柄を拘束された。オフィスが存在するのかさえ分からないある調査会社は、候補者から現金を受け取り、この候補者が望む結果をでっち上げたとして摘発された。選挙管理委員会が摘発した調査会社の違法行為件数は、前回の選挙当時と比べて3倍を上回っている。
 このように世論調査の信頼性が低下した理由は、100社を超える零細企業が乱立し、回答率が2%にもならない自動応答機器による調査ばかり行われているからだ。携帯電話が普及しているにもかかわらず、調査会社が固定電話にばかり依存しているようでは、現実を正しく反映する調査結果など出るはずがない。調査会社も当然このような現実を知っているが、それでもあえてそのやり方を改善しようとしなかった。これでは犯罪行為と何ら変わりがないだろう。
 調査会社によるずさんな調査や不正はこれ以上放置してはならない。与野党も直ちに制度の見直しに着手すべきだ。例えば選挙前に投票動向を調べる調査会社については認証制度を導入し、一定の条件を満たした会社に限って調査結果を公表できるようにしてはどうか。現在、政党に対してのみ認められている無線電話安心番号制度についても、番号などの情報を認証を受けた調査機関に提供することも前向きに検討する必要があるだろう。
 さらに深刻な問題は、このようにずさんでなおかつ意図的に捏造(ねつぞう)された調査結果が、政党の公認候補を決める際に大きく影響しているという現実だ。世論調査の結果に基づいて候補者の一本化が行われたのは、2002年の大統領選挙で当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補と鄭夢準(チョン・モンジュン)候補によるものが最初だった。ところが今では政党による公認候補や政策も世論調査に基づいて決められている。政党は現在の世論調査の結果に大きく左右されるのではなく、公認候補を決める際にはより長期的な観点に基づいて検討するなど、公認制度について根本から見直していかねばならない。
韓国大手新聞 朝鮮日報16年4月15日記事抜粋


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。