シニア花井の韓国余話

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【社説】追い込まれた北朝鮮との対話の突破口を開け

2014年07月11日 18時30分00秒 | Weblog
韓国大手新聞  朝鮮日報14年7月8日記事抜粋
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は先日、江原道元山市郊外で陸海空軍による合同演習を直接視察し、兵士たちを盛んに激励していたことが分かった。視察の際、金正恩氏は兵士たちに「祖国の西南戦線海域(黄海上のNLL=南北の境界線)周辺は敵の勢力により常に危険な状況にある」「確実に決意している」などと語り掛けたことも伝えられている。
 その一方で北朝鮮は韓国に対してこれまでと同じく対話を提案している。北朝鮮は7月7日に発表した「共和国政府声明」で「今年9月に仁川で開催されるアジア大会に選手団と応援団を派遣する」と発表した。「共和国政府声明」とは北朝鮮が発表する声明の中では最高レベルのもので、2012年の初めに金正恩体制がスタートして以降では今回が最初の共和国政府声明になる。北朝鮮は今年5月末の時点で「仁川アジア大会に選手団を派遣する」とすでに発表していたため、今回の共和国政府声明で目新しいことと言えば、北朝鮮が応援団を追加で派遣するという内容くらいしかないが、逆に言えばこのことを共和国政府声明という形で発表したことが異例だ。なぜなら共和国政府声明は1970年代からわずか十数回しか発表されていないからだ。
 北朝鮮の本当の狙いは、応援団の派遣を表明した後に続く「南北関係改善に向けた四つの要求事項」に込められている。声明で北朝鮮は「外勢への依存に反対する。全ての問題をわが民族同士で解決していくべきだ」と主張したが、その一方で今も開発を続ける核兵器に関しては「わが民族の平和と繁栄を保障するもの」という詭弁(きべん)を並べ立てた。「わが民族同士」という言葉は何か問題が発生するたびに北朝鮮が使う常とう文句だが、今回に限って言えば、この言葉から北朝鮮の切迫した思いを読み取ることができる。これまでなら「わが民族同士」は韓米同盟の破壊を狙う扇動のために使われていたが、今回は韓国と中国が急速に連携を深めていることへの警戒が込められているからだ。
 中国の習近平国家主席による今回の来韓を前後したころから、中国はあらゆる公式の場で韓国を「近い親戚」と表現し始めた。また習主席夫妻もソウル市内の各地を回りながら、韓国に対する深い関心と愛情を表現した。中国がこのような態度を取る大きな理由は、韓国と連携して日本に共同で対抗するためだ。これら一連の中国の態度に北朝鮮が大きな衝撃を受けているのは間違いない。中国はこれまで半世紀以上にわたり、北朝鮮にとって唯一の後ろ盾であり血盟国だった。中国からの食糧や原油の支援なしに、北朝鮮は自分たちの体制を維持することが困難な状況にあるのも事実だ。その中国が今回あからさまに韓国と手を結ぼうとしたのだ。
 北朝鮮の政権は現在、過去のいかなる時期以上に体制の危機を感じるとともに、中国に対する怒りも当然大きくなっているはずだ。そのような状況で北朝鮮は同じ日に韓国に対する軍事訓練と、「わが民族同士」というスローガンを掲げた対話の呼び掛けを行った。北朝鮮がこのように切迫した状況に追い込まれてしまえば、いつ何をするか予測が非常に難しくなる。韓国政府は北朝鮮からの応援団派遣は受け入れる方針だが、南北対話の提案に対しては「真摯(しんし)な姿勢が感じられない」として留保する構えだ。この状況で韓国政府がやるべきことは、第一に北朝鮮による挑発的軍事行動に対して徹底した備えをすることだ。同時に今年2月に南北離散家族再会行事が行われて以降、事実上断絶状態にある南北対話を再開する方向で検討を進めていかねばならない。北朝鮮が現在の外交的孤立から脱却するには、日本との関係改善ではなくまずは南北対話から突破口を見いだすべきであり、このことを北朝鮮に悟らせることも非常に重要だ。
 北朝鮮は余計な言動を控え、真摯な姿勢で南北対話に臨まねばならない。北朝鮮は対話について語る以前に、何よりも軍事挑発の動きから直ちに中断しなければならない。





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