シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

1週間5000円で韓国全土を旅する大学生たち

2013年08月20日 13時53分47秒 | Weblog
  韓国大手新聞 朝鮮日報13年8月18日記事抜粋
8月8日午前、全羅南道麗水市に向かう急行「ムグンファ」号の車内。7両の客車は平日にもかかわらず満席だった。飲み物や軽食を提供する「カフェカー」のドアを開けると、汗の臭いが充満していた。広さ50平方メートルの空間で、40人を超す大学生たちがはしゃいだり、壁にもたれかかって居眠りしたりしていた。
 気温が35度を超える猛暑にもかかわらず、機関車と客車の間の2平方メートルの空間にも、4人の男子学生がござを敷き、座り込んで寝ていた。辺りは真っ暗で、エアコンも効いていない。濡らしたタオルを頭にかぶっていた仁荷大学の学生ミョン・セフンさん(19)は「物流倉庫やスーパーで19日間休まず働き、旅行費用をためた。まだ若いし、暑さなんて関係ない」と話した。
 学生たちは立席乗車券で列車に乗って旅をしていた。韓国鉄道公社(KORAIL)は2007年から、満25歳以下の学生を対象に、長期休業期間中の7日間、韓国高速鉄道(KTX)を除く全ての列車を自由に利用できる「ネイルロ(『明日へ』の意)乗車券」を販売している。KTXの開業によって乗客が減少した地方の路線を活性化するため、欧州の「ユーレール・パス」を参考に導入したものだ。このネイルロ乗車券を利用し、ムグンファ号などの列車に立席乗車券扱いで乗って旅をする学生たちを「ネイラー」と呼ぶ。5万6500ウォン(約4900円)で1週間、全国どこにでも行けることから、07年に7868人だった「ネイラー」の数は、昨年には17万人を超えるまでになった。今年もまた、猛暑にもかかわらず、7月までにすでに9万4854人がネイルロ乗車券を利用して全国を旅している。
 8日午後、全羅南道の順天駅の待合室にいた52人のうち、28人が大学生だった。学生たちはシティーツアーバスに乗ったり、1000ウォン(約87円)で自転車を借りたりして、7キロ離れた順天湾に向かった。
 順天市の文化観光解説員を務めるナム・チャンウさんは「6月に入って乗客が大幅に減少していたシティーツアーバスは、7月に入ると毎日学生たちでいっぱいになった」と語った。また、順天駅のソン・ガプソプ駅長は「駅の窓口には、学生たちが1日に300個ものリュックサックを預けている。若者たちが来てくれるおかげで、駅もすっかり活気に包まれている」と話した。麗水エキスポ駅構内のコンビニの店主ク・ヨンナムさんは「7月末以降、おにぎりやハンバーガーを購入する大学生たちが殺到し、売り上げが3倍に増えた」と語った。
 「ネイラー」のイ・ジョンフンさん(22)=韓国交通大学=は「窮屈な旅だが、知らない若者たちと多く出会えるというのが魅力だ」と語った。また、チョン・ウジョンさん(24)=公州大学=は「インターネットの掲示板に『全州でマッコリ1杯やりたい人集まれ』と書き込んだところ、その日の夜に12人が集まった。日程さえ合えば一緒に旅行したり、別の場所で偶然再会したりすることもある」と話した。
 チョ・ヨンジュさん(22)がネイルロ乗車券を利用して旅をするのは今回で4回目だ。昨年冬には全羅北道完州郡のテドゥン山に登ったが、雪に覆われた山の景色が気に入り、今度は夏の山を見にいくという。チョさんは「ソウルや釜山の友人宅にお世話になりながら、20万ウォン(約1万7500円)で1週間旅する計画だ。列車の料金が安いため、何度利用しても平気だ」と語った。
だが、若い乗客たちが増えたことは、いいことずくめではない。鉄道公社のある職員は「酒を飲んでけんかする学生たちもいるし、カフェカーを占領して営業に支障をきたすこともある。何かと弊害が多い」と話した。





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