12月6日まで京都国立近代美術館で開催されていた「人間国宝 森口邦彦」展でございます。会期末前日の5日に行ってきました。ちょうどこの会期中に文化功労者となられ、会期末ギリギリだったので混んでたら嫌だなと思いながら行きましたが、全然OKでした。
展覧会の概要です。
「森口邦彦」さんは全く存じ上げない方だったのですが、三越のショッピングバッグをデザインされたというその一点への興味だけで伺いました。この三越柄のお着物もございました。所蔵はもちろん三越伊勢丹ホールディングスです。これってお召しになる方、いらっしゃるんでしょうか。ちょっと見てみたいかも、と思いました。
森口邦彦さんのお着物は、この三越柄のような幾何学模様の柄でした。同じ柄が続くので、てっきり“大量生産”的なイメージ、機械を使ってどんどん同じ柄ができていくのだと思っていましたが、違います。全て手描き友禅でした。それのビデオが流されていましたが、線を引いて、糊を置いて、色を塗って、糊を落としてという工程を繰り返されます。(←スミマセン、めちゃくちゃザクっと書いています。もっと繊細で微妙な工程で神経を張り詰めた作業をされています。)小さい幾何学模様を一反分、全部手描きされるんです。気の遠くなるような工程です。展示には「草稿」もあって、トレーシングペーパーに線だけで描かれたもの、それに色をつけたものを拝見することができました。
普通に思い浮かべる「お着物の柄や色」とは対極にあるような非常にモダンな柄や色使い・色合わせで、着こなせる方は限られるんだろうなと思いました。梨園の奥様方には不向きですね。お着物に負けてしまいそうです。寺島しのぶさんやノリノリ紀香さんならバッチリいけそうですが、お客様より目立ってしまうので、また週刊誌やワイドショーでアレコレ言われそうです。ワタシはこういう色柄のワンピースがあれば、歌舞伎座の一階席用に買ってみたいかも、と思いました。
お着物は結構な数の作品が展示されていましたが、全て衣紋掛けにかけた状態での展示で、平面的と言いますか、しかもお着物の柄は延々と幾何学模様が続き、申し訳ないのですが、変化がなくてだんだん飽きてきました。ボディに着せて立体的に見せるとか、そういうのも混ぜてほしかったです。なかなか興味深い展覧会だったのに、「猫に小判」「豚に真珠」とはワタシのことです。
三越柄の草稿とショッピングバッグの展示です。これだけあると圧倒されます。ミュージアムショップで絵葉書を買うと、三越の紙袋に入れてくれました。
森口邦彦さんのお父様、森口華弘さんの友禅訪問着「秋草文」です。4階の常設展にありました。ずっとモダンなお着物を見てきた目には新鮮でした。
同じく4階の常設展にあった「ろまんちっく手摺千代紙」です。最近のものかと思ったら、1935年制作のものでした。
美術館の周りの紅葉です。そういえば、今年は紅葉も満足に見てなかったような気がします。
美術館の前の川にいました。
展覧会の概要です。
友禅の技法で人間国宝の認定を受けている森口邦彦。森口はパリで学んだグラフィック・デザインの思考と幾何学文様を大胆に組み合わせることで、伝統工芸の「友禅」に留まらない新しい創作の可能性を拓いてきました。着物制作から三越のショッピングバッグに代表されるデザインワークまで、森口の創作は、歴史的に積み重ねられてきた技と感性を出発点に社会に友禅・デザインを還元させるための実践であるといえます。本展では、友禅とデザイン、伝統と現代、東洋と西洋などが様々に交差して生まれる森口邦彦の創作活動の全貌をご紹介いたします。
「森口邦彦」さんは全く存じ上げない方だったのですが、三越のショッピングバッグをデザインされたというその一点への興味だけで伺いました。この三越柄のお着物もございました。所蔵はもちろん三越伊勢丹ホールディングスです。これってお召しになる方、いらっしゃるんでしょうか。ちょっと見てみたいかも、と思いました。
森口邦彦さんのお着物は、この三越柄のような幾何学模様の柄でした。同じ柄が続くので、てっきり“大量生産”的なイメージ、機械を使ってどんどん同じ柄ができていくのだと思っていましたが、違います。全て手描き友禅でした。それのビデオが流されていましたが、線を引いて、糊を置いて、色を塗って、糊を落としてという工程を繰り返されます。(←スミマセン、めちゃくちゃザクっと書いています。もっと繊細で微妙な工程で神経を張り詰めた作業をされています。)小さい幾何学模様を一反分、全部手描きされるんです。気の遠くなるような工程です。展示には「草稿」もあって、トレーシングペーパーに線だけで描かれたもの、それに色をつけたものを拝見することができました。
普通に思い浮かべる「お着物の柄や色」とは対極にあるような非常にモダンな柄や色使い・色合わせで、着こなせる方は限られるんだろうなと思いました。梨園の奥様方には不向きですね。お着物に負けてしまいそうです。寺島しのぶさんやノリノリ紀香さんならバッチリいけそうですが、お客様より目立ってしまうので、また週刊誌やワイドショーでアレコレ言われそうです。ワタシはこういう色柄のワンピースがあれば、歌舞伎座の一階席用に買ってみたいかも、と思いました。
お着物は結構な数の作品が展示されていましたが、全て衣紋掛けにかけた状態での展示で、平面的と言いますか、しかもお着物の柄は延々と幾何学模様が続き、申し訳ないのですが、変化がなくてだんだん飽きてきました。ボディに着せて立体的に見せるとか、そういうのも混ぜてほしかったです。なかなか興味深い展覧会だったのに、「猫に小判」「豚に真珠」とはワタシのことです。
三越柄の草稿とショッピングバッグの展示です。これだけあると圧倒されます。ミュージアムショップで絵葉書を買うと、三越の紙袋に入れてくれました。
森口邦彦さんのお父様、森口華弘さんの友禅訪問着「秋草文」です。4階の常設展にありました。ずっとモダンなお着物を見てきた目には新鮮でした。
同じく4階の常設展にあった「ろまんちっく手摺千代紙」です。最近のものかと思ったら、1935年制作のものでした。
美術館の周りの紅葉です。そういえば、今年は紅葉も満足に見てなかったような気がします。
美術館の前の川にいました。
おとらさんのお陰で、いろいろなデザイナーの作品が見られます。感謝、感謝です。
それにしても、大胆な友禅ですね。^^
「点描」になっているところがありますが、これって砂?か何か小さい粒粒を一つずつ生地の上に置いて染めていらっしゃいます。決して適当に置いているのではなく、すごく考えながら置いていらっしゃいました。気の遠くなるような作業でした。