スウェーデン国会に現在、議席を持つ党は7つある。
左派-右派というスペクトラムで見た場合、左のほうから順番に並べると以下のとおり。(各党のシンボルと略称のアルファベット)
[v] 左党(Vänsterpartiet):旧共産党
[s] 社会民主党(Socialdemokraterna):現在の与党。左党と環境党と閣外協力を結んでいる。大臣職はすべて独占。
[mp] 環境党(Miljöpartiet):サブタイトル「緑の党(De Gröna)」。1981年結党。1988年に初めて議席を獲得。
[c] 中央党(Centerpartiet):もともと「農民連合」といい、今でも農村部で支持が強い。また、地域によっては地方議会でかなり優勢なところもある。
[fp] 自由党(Folkpartiet):直訳すると「国民党」だが、イデオロギーを考慮したらこの訳のほうがしっくり来る。英訳でもthe Liberalsが定着。
[kd] キリスト教民主党(Kristdemokraterna):1994年に初めて議席を獲得。
[m] 保守党(Moderaterna):正式名称を直訳すると「穏健統一党」になるが、英訳ではthe Conservativesが定着している。
さて、各党の人気。
前回、2002年9月の総選挙での得票率と、最新(8月16日時点)の世論調査の結果は以下のとおり。
スウェーデンの政党は、連立や閣外協力という形で、他の党と協力関係を持つことが多い。だから「左派ブロック」「右派ブロック」という形でよく比べられる。
去年からこれまでにかけての、支持率の推移をグラフで見てみよう。
これらから分かるように、前回の総選挙で小さな差で勝った「左派ブロック」が、最新の世論調査では「右派ブロック」に遅れを取っているのが分かる。しかし、まだ態度を決めていない有権者が2割もいるため、どちらが勝ってもおかしくないといえる。
スウェーデンでは中選挙区による「比例代表制」が採用されており、さらに得票率と議席数をほぼ一致させる調整制度があるため、議席数の比率は、得票率とほぼ同じと見てよい。下に登場する“4%ハードル”をクリアできない政党を除けば、死票がほとんど出ない選挙制度だといっていい。
また、各政党を見てみると、「左派ブロック」の中では社会民主党、「右派ブロック」中では保守党が圧倒的に強いほかは、小さな政党がひしめいていることが分かる。
グラフには4%以下の部分がピンクに染まっているが、これは“4%ハードル”があるためだ。つまり、全国での得票率が4%に満たない政党には、議席をもらえないのだ。(国会の議席は349議席。その4%というと14議席に相当する。)ただ、全国で4%に満たなくても、一つの選挙区で12%以上を獲得すれば、議席が獲得できるという例外もある。ただ、この例外をクリアして議席獲得を果たした党はまだいない。中選挙区なので、一つの選挙区といっても、大きいのだ。この“4%ハードル”は小党乱立を防ぐために導入されている。
左派-右派というスペクトラムで見た場合、左のほうから順番に並べると以下のとおり。(各党のシンボルと略称のアルファベット)
[v] 左党(Vänsterpartiet):旧共産党
[s] 社会民主党(Socialdemokraterna):現在の与党。左党と環境党と閣外協力を結んでいる。大臣職はすべて独占。
[mp] 環境党(Miljöpartiet):サブタイトル「緑の党(De Gröna)」。1981年結党。1988年に初めて議席を獲得。
[c] 中央党(Centerpartiet):もともと「農民連合」といい、今でも農村部で支持が強い。また、地域によっては地方議会でかなり優勢なところもある。
[fp] 自由党(Folkpartiet):直訳すると「国民党」だが、イデオロギーを考慮したらこの訳のほうがしっくり来る。英訳でもthe Liberalsが定着。
[kd] キリスト教民主党(Kristdemokraterna):1994年に初めて議席を獲得。
[m] 保守党(Moderaterna):正式名称を直訳すると「穏健統一党」になるが、英訳ではthe Conservativesが定着している。
さて、各党の人気。
前回、2002年9月の総選挙での得票率と、最新(8月16日時点)の世論調査の結果は以下のとおり。
スウェーデンの政党は、連立や閣外協力という形で、他の党と協力関係を持つことが多い。だから「左派ブロック」「右派ブロック」という形でよく比べられる。
去年からこれまでにかけての、支持率の推移をグラフで見てみよう。
これらから分かるように、前回の総選挙で小さな差で勝った「左派ブロック」が、最新の世論調査では「右派ブロック」に遅れを取っているのが分かる。しかし、まだ態度を決めていない有権者が2割もいるため、どちらが勝ってもおかしくないといえる。
スウェーデンでは中選挙区による「比例代表制」が採用されており、さらに得票率と議席数をほぼ一致させる調整制度があるため、議席数の比率は、得票率とほぼ同じと見てよい。下に登場する“4%ハードル”をクリアできない政党を除けば、死票がほとんど出ない選挙制度だといっていい。
また、各政党を見てみると、「左派ブロック」の中では社会民主党、「右派ブロック」中では保守党が圧倒的に強いほかは、小さな政党がひしめいていることが分かる。
グラフには4%以下の部分がピンクに染まっているが、これは“4%ハードル”があるためだ。つまり、全国での得票率が4%に満たない政党には、議席をもらえないのだ。(国会の議席は349議席。その4%というと14議席に相当する。)ただ、全国で4%に満たなくても、一つの選挙区で12%以上を獲得すれば、議席が獲得できるという例外もある。ただ、この例外をクリアして議席獲得を果たした党はまだいない。中選挙区なので、一つの選挙区といっても、大きいのだ。この“4%ハードル”は小党乱立を防ぐために導入されている。
アメリカの警察ドラマで慣れていると素朴な感じがし、ランチで牛乳を飲んでいる警察官達や、マスコミ対応の様子から、食事、湖畔や別荘での休暇の過ごし方、また難民移民差別などふだん報じられないスウェーデンの日常を垣間見れ、とても面白いです。
ところで、私は、生協運動の食の安全やせっけん運動から、地方自治体議会で活動する「地域政党(市民ネットワーク、千葉県)」(政権を目的とする国政政党をめざさない。地域・市民自治をめざす政党。)活動に参加しています。千葉県では20年、東京、神奈川県では30年の経緯があります。
しかし日本でのそれ以外の「地域政党」はまだほとんどなく、広がる気配もありませんが、基礎自治体・コミューンの自治や予算権限が確立していると思われるスウェーデンには地域議会活動をのみ対象とする地域政党はあるのでしょうか、教えてください。
(誰が「クルト・ヴァランダー」なんて訳してしまったのか気になります。おそらくスウェーデンでは通じないでしょうに)
>スウェーデンには地域議会活動をのみ対象とする地域政党
ありますよ。数としてはたくさんあるのではないかと思います。ただ、その自治体だけに活動を特定しているので、具体的な情報などは他の自治体に住む人間にはあまり伝わってきません。
ここで略号(s、m、fp…など)で示される全国政党以外のほとんどはローカル政党のようです。
http://www.skl.se/artikeldokument.asp?C=6811&A=52346&FileID=221173&NAME=Kommunstyre%5F080422.pdf
ありがとうございました!
川上邦夫さんが訳された『スウェーデンの中学教科書 あなた自身の社会』を読み返していたら、地方政党が1991年のときで1700余あったと書いてあったので気になり聞いてしまいました。
日本では地方自治や住民主権が実るときは、首長のリーダーシップしだいで、議会や地域政党という例はほとんど見られません。
日ごろの活動でも、「結局、民主党なの?共産党なの?」と聞かれ、地域政党はまだまだです。
先週でスウェーデンテレビ制作の「クルト・ヴァランダー」は終わりましたが、欧米のようにかっこいい役者もおらず起承転結のメリハリのある脚本ではなく、北欧独特の日常や人生の見せ方に惹きつけられました。
刑事ものでは、ミレニアム・シリーズが現在2本映画化されています。本は早川書房から出ていますので、読んでみて下さい。スティーグ・ラーション(Stig Larsson)が著者です。
他に劇作家、映画監督、詩人のStig Håkan Larsson (1955年生まれ、Stiegより1歳若い)と区別するためにEを入れたとか聞きました。でも、最近はStigでもミレニアムに行き着くようです。