チェルノブイリ原発事故によってスウェーデンの一部に強い放射能が落下した際に、スウェーデンでは農業や酪農でどのような対策が取られたかを調べていたら、それとは別に、食品に含まれる放射性セシウム-137の量を減らすために家庭でどのようなことができるかを簡単に説明した資料を見つけたので、紹介します。
ただ、スウェーデンにおける調理法に合わせたアドバイスなので、日本の料理法にぴったり当てはまるわけではないかもしれません。あくまでも参考までに。
放射線セシウム-137の汚染限度は、普通の食品の場合、スウェーデンは300ベクレル/kgに設定しています(確か、日本もそれに近い値だったと思う)。それ以下の汚染であれば過剰に反応して神経質になることもどうかと思いますが、調理法次第でセシウムの量もこれだけ減らせるのだということを伝えたいために、紹介します。
【 肉 】
・酸味の強いマリネ(マリネード)に漬けた上で調理すれば、肉に含まれるセシウムが80~90%減少する。(マリネード = 酢・ワイン・油・香辛料・ハーブなどから作る漬け汁)
・茹でた場合、牛肉であればセシウムの50~70%、ヘラジカやトナカイなどの野生の肉であれば45~70%が減少する。
・塩漬けするだけでは、30%ほどしか減少しない(塩漬けはトナカイの肉の保存などに用いられる)。しかし、水に漬けて塩抜きし、茹でた場合は70~85%のセシウムが減少する。
・焼いた場合は、大きな効果はない。
・燻製にしたり干したりした場合は、全く効果はない。
注1:茹でた水は捨てること。
注2:減少するのはセシウムだけでなく、カリウムやビタミンB6などの水溶性の栄養分も、セシウムの減少割合と同じだけ減少する。
【 魚 】
・魚を丸ごと茹でた場合、セシウムの15~20%が減少する。
・魚を細かく切って茹でた場合、20~30%減少する。
・塩漬けにしたあと、水で塩抜きし、茹でた場合はセシウムが70~80%減少する(塩漬けの時間が1週間であろうが、4週間であろうが関係ない)。
注1:茹でた水は捨てること。
注2:減少するのはセシウムだけでなく、カリウムやビタミンB6などの水溶性の栄養分も、セシウムの減少割合と同じだけ減少する。
【 野菜 】
・葉野菜であれば、外側の葉を取り除いたり、丁寧に水で洗ったり、湯通ししたり、茹でることで、セシウムの10~90%を取り除くことができる。
・人参やグリーンピースであれば、ゆがくか、凍らせた後に茹でて使用すれば、セシウムを50%減らすことができる。
・人参はゆがけば、放射性のストロンチウムが5%減少する。グリーンピースはゆがけば、ストロンチウムが35%減少する。
注1:茹でた水は捨てること。
注2:減少するのはセシウムだけでなく、ビタミンBやCなどの水溶性の栄養分も、セシウムの減少割合と同じだけ減少する。
【 キノコ 】
・たっぷりのお湯を沸かして軽く茹でれば、キノコに含まれるセシウムの70~80%が減少する。水は捨てること。
※ ※ お知らせ ※ ※
以上の出典は、スウェーデンの防衛研究所・農業庁・食品庁・放射線安全庁・農業大学が共同で発表している報告書「放射性物質が落下した場合の食品生産について」からです。この報告書の邦訳は、2012年1月30日に『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』として出版されました。私が翻訳をしました。

スウェーデンの防衛研究所が農業庁やスウェーデン農業大学、食品庁、放射線安全庁と共同でまとめ、2002年に発行した「放射性物質が降下した際の食品生産について」という報告書の翻訳です。
チェルノブイリ原発事故のあとにスウェーデンが被った被害やその影響、農業・畜産分野で取られた対策や、放射能汚染を抑えるための実験、放射能に関する基礎知識、将来の事故に備えた災害対策の整備や、実際に事故が起きたときの対策の講じ方をまとめたものです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
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友人の友人の○しのさんからこのリンクについてお聞きしました。
本当に有用な情報なので、Mixi、自分のブログなどで拡散してもよろしいでしょうか。
とにかくありがとうございます。
すき焼き、焼肉、魚の塩焼きなんかはダメですね。
ブログ友だちに紹介させていただきます。
いつも有効な記事をありがとう。
twitterから飛んできました。
有用な情報、ありがとうございます。
早速、周りのお友達にも紹介させていただきます。
ちなみに、厚生労働省が出している日本のセシウムの基準値はこうなっています。
飲料水・牛乳・乳製品 … 300 Bq/Kg
野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他 … 500 Bq/Kg
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
これからも、ブログ拝読させていただきます^^
H.S
セシウムの汚染の話は良く聞くものの、その一部分は調理の仕方次第で減らすことができるというのは、私も知りませんでした。
>飲料水・牛乳・乳製品 … 300 Bq/Kg
>野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他 … 500 Bq/Kg
ありがとうございます。
拡散させてください。
今回の記事ですが、「減少」という表現について質問です。
あくまでもセシウムの絶対量が「減少」するわけではなく、茹でることで食材から水中にセシウムが移動して、その水を捨てることで、食品中のセシウムの量が減るという理解でよろしいでしょうか?(マリネや塩漬けも同じ理屈。いわゆる浸透圧の原理ですか?)
もしも、こうした理解が正しいのであれば、「調理の仕方」という表現は、若干の誤解を生むかもしれません。。
(もちろん、注1、注2が示されていますが、見落とされる可能性もあるので)
せっかくの有益な情報ですので、背後にある原理も伝えていただけると、ありがたいと思います。
今、復興税が取りざたされています。
日本の税は低いとの見解がありますがハテナです。消費税だけを比較するので無く、税総額と所得との割合で比べないとおかしいと思います。
お忙しい所を恐縮ですが、スウェーデン
の税の現状を教えていただけないでしょうか?
ちなみに、我家はサラリーマンで差っぴかれるのは、所得税・住民税・健康保険
・厚生年金・雇用保険・介護保険で額面の約32%になり、それに消費税、別途、固定資産税です。よろしくお願いします。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/35448/
いい情報をありがとうございます。
拡散させてください。
情報を拡散させてください。
調理時に出る湯気にセシウムが含まれ、
それを吸い込む危険が書かれていました。
茹でる時は換気扇の強で、排気したほうが良いと思います。
読者の方に他の情報として、yoshi_sweさんの記事をご紹介させていただきました。
事後報告ですみません。
いろんなことをご教授くださり勉強になります。これからも読ませていただきます。
スウェーデンでチェルノブイリの事故後に子供に対してどのような対応が取られたのか、お分かりでしたら、教えてください。
よろしくお願い致します。
セシウムをどう減らすか、勘で農薬除去
してきた方法をとってました。
より詳細でわかりやすいです。
みなさん知りたい情報だと思いますので
リンク、転載是非お願いたします。
これからも長い戦いになりますので、
今後もよろしくお願いいたします。
スウェーデンにお住まいということで
たいへん貴重な情報をご提供いただき
どうも、ありがとうございました。
スウェーデンと言えば
”カーディガンズ”などの音楽アーティストを思い出します。今でも訪れてみたい国のひとつです。これからも、ときどき、このブログに訪問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ただ、鰹やシイタケから出汁をとる日本食には厳しい話ですね。燻製・干してもほとんど意味がない→茹でると煮汁にたくさん出てくる、ということなので出汁には注意しなければなりません。
太平洋の鰹、北関東~東北のシイタケは要注意ということでしょうか。北海道の昆布についてまだ発表も何もないのが不気味で心配しています。
そのように受け止めて間違えないでしょうか。つまり、水道水を使用して湯でこぼす、震災後の酢でつける、は厳禁であると。現状で出来ることをしていけたらと思っています。
放射性物質+呼吸1時間22立方メートル×8時間÷30日呼吸による内部被ばく
(新潟市3月1平米あたり)セシウム137は1000平米あたり1、8320ベクレル
セシウム137 1,24ベクレル+22×8÷30=6,19ベクレル
134 1,37ベクレル+22×8÷30=6,232ベクレル
136 0,12ベクレル+22×8÷30=5,898ベクレル
約18,32ベクレル
(4月)
セシウム137 33ベクレル+22×8÷30=14,66ベクレル
134 35ベクレル+22×8÷30=15,2ベクレル
136 0,3ベクレル+22×8÷30=5,946ベクレル
ヨウ素 1,9ベクレル+22×8÷30=6,373ベクレル
テルル 5,6ベクレル+22×8÷30=7,36ベクレル
ジルコニウム96 0,67ベクレル+22×8÷30=6,045ベクレル
ニオブ95 0,72ベクレル+22×8÷30=6,058ベクレル
約62,047ベクレル1000平米あたり62047ベクレル
(5月)
セシウム137 6,8ベクレル+22×8÷30=7,68ベクレル
134 7,1ベクレル+22×8÷30=7,76ベクレル
約15,44ベクレル1000平米あたり15440ベクレル
◆マラソンで走ると、白血病、や癌、心筋梗塞、肺がん、脳梗塞になる恐れのある、放射性物質を、(セシウムなどを)4倍から7倍、空気中から取り込むことになる、
◆尚、このセシウムは日本のほぼ半分に今現在でも降りつずいているので、できれば濡れマスクをして外に出る、食べ物、飲み物の産地に気をつける、特に牛は全国に引き取られ、北海道にも行っているので、肉だけではなく、牛乳にも気をつけねばならない、新潟県にもセシウムが降りつずいている、食料品は、なるべく、九州方面の野菜又は、佐渡産、外国産の肉や野菜が良いと考えられる、
◆最後に福島原発では、7月の85度よりだんだんと悪くなり100度を越えてきているが度で水蒸気が上がって放射性物質が全国に飛散しているが、この温度が30度ぐらいに安定すれば放射性物質の、拡散はなくなると思う、その時期は、うまくいっても今年の中、には無理になってきた、来年もどうかなと思う、しかし、◆汚染された海、日本の半分近く、◆汚染された土壌からの生産物は、しばらく、何年かは食さないほうが、子供たちのために必要だと、大人にも必要だと思う
今だ福島原発は終息のめどが立たず放射性物質を日本列島に出しつずけているメルトスルーしているから、これで原発の終息のめどが立つのでしょうか
子供たちの未来は、日本は?
2011年10月8日
新潟県新潟市西蒲区巻甲4739-7-D山田義範
電話090-1058-9738
ファックス0256-73-0001
ブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/yossyyossy12345/
メールyossiyossi@indigo.plala.or.jp
それでも、生きていく、、ために、素晴らしい情報です、本当に有難うございます。
ブログで紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
これからも読ませていただきます。
日本と違い気温が低いので外気に触れる納屋で保管すると放射性物質が付着するという話だと思います。
実は福島の事故前から気になっていたのですが、今現在のスウェーデンの平均的なセシウム等の放射性物質の一日(年間等)の摂取量はどの程度なのでしょうか。
また、食品の放射能をチェックした数値等が見られるサイトや資料はあるのでしょうか。もしご存知でしたらば、ご教示頂けますと幸いです。