yoshのブログ

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源氏長者

2011-05-08 06:08:57 | 歴史
日本の歴史において源氏は大きい役割を担って来ました。鎌倉幕府を開いた源頼朝、室町幕府の足利尊氏、戦国大名では駿河の今川氏、甲斐の武田氏、常陸の佐竹氏、出羽の最上氏、また江戸時代には肥後を治めた細川氏など枚挙に暇がありません。彼等はみな清和天皇を祖とする清和源氏です。徳川家康もこれに倣い、清和源氏の新田氏の子孫と自称しました。豊臣秀吉は源氏ではなかったので、財力と行動力に物を言わせて関白という高位を得ましたが、とうとう武家の頭領である征夷大将軍になることはできませんでした。
こうした源氏一族全体の氏長者を源氏長者と言います。原則として源氏の中で最も官位の高い者が源氏長者になります。源氏長者は源氏の中での祭祀、召集、裁判、氏爵の推挙などの権利を持ちました。初代の源氏長者は嵯峨源氏出身の源信でした。やがて村上源氏の源師房が源氏長者になりました。時代が下って後醍醐天皇の時には「神皇正統紀」を書いた北畠親房が源氏長者になりました。武家源氏で初めて源氏長者になったのは清和源氏の足利義満です。以後、足利将軍家が継ぎました。
徳川家康が天下を統一すると徳川将軍家が源氏長者になり、以後徳川家がこれを独占しました。徳川家康は、征夷大将軍と源氏長者を一身に兼ねることにより、実質上の日本国王の権威を手に入れ、公家と武家を共に掌握することに成功しました。源氏長者とは、このように大きな権力でした。
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