yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

鈴木章教授語録

2011-02-16 06:07:59 | 文化
化学という学問は物理学や数学とならんで自然科学のなかで重要な一分野となっており、人間の生活に密接な関りをもっていて、身近で実生活上とても役に立つ学問です。物を作る産業界にあっても、化学は材料技術の基礎となる学問として重要です。私が以前、勤めていた会社でも材料関係の技術は肝要な分野で、多くの研究者と技術者がいました。ところで化学研究の中心である化学会をみますと、「日本化学会」は1878年(明治11年)に創立され、現在45,000人の会員がいます。「イギリス化学会(The Chemical Society)」は1841年の創立で会員数42,000人、「ドイツ化学会」は1867年の創立で37,500人の会員がいます。どれも創立が古く、多くの会員を擁する巨大学会です。

以下は昨年ノーベル化学賞を受賞された北海道大学の鈴木章(あきら)教授の語録です。
「化学は最近、学生の人気が低迷していると聞きますがどう思われますか」という質問に対して教授は、「化学はキツイ、キタナイ、クサイ、いわゆる3Kなどと言われるけれど、面白かったらそんなこと感じない。興味を持たせること、若い人に面白いと思ってもらうことが大事。重化学工業の時代はもう来ないかもしれない。でも、農薬も液晶材料なども化学のおかげ。資源のない日本が生きるには、付加価値の高いものを作り出す技術が不可欠。企業にも日本の研究にもっと目を向けてもらいたいね」とお答えになっています。

「今の科学には希望や理想が無いという人もいますが」という質問に対しては、「希望や理想は他人からもらうものではない。自分から将来を考えて、作り出すもの。一方で、若い人たちが自分で希望や理想を持てるようにサポートするのは私たち年配者の務め。(中略)幸運をつかむチャンスはだれにでもある。どの職業でも同じでしょう。その機会をいかせるかどうかは、日頃の努力と謙虚さ、注意深さだと思います。どんな研究でもうまくいかないことはある。でも、僕は学生たちと飲んで愉快な気分になって仕切り直した。真面目にやっていれば、いつかは必ずうまくいく。手を抜いてはだめですが、少々、楽観的でもいいのだと思います。」このように鈴木教授は述べておられます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 升田幸三語録 | トップ | 広瀬武夫 二枚の写真 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

文化」カテゴリの最新記事