yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

打球の到達距離

2013-09-19 05:37:08 | 科学
ヤクルトのバレンティン選手はかねてよりホームランを量産し、9月15日に56本目と57本目を打ち、従来の王貞治選手の記録55本を超える快挙を達成しました。ヤクルトが本拠とする神宮球場では、約150m打球を飛ばすとホームランになります。
先日、テレビのクイズ番組を見ていましたら超難解の物理問題分野で次の問題が出題されていました。「150km/Hの速度の投球を、重さ150kgのバットで打ち返すとどれだけ飛ぶか。」
国際数学オリンピックで金賞を受賞した葛西祐美さんは1分ほど計算して、29kmという正解を出しましたので、びっくりしました。29kmというと、東京ドームで打った球が西武ドームにまで届くことになります。
不肖、私は、葛西さんがあまりに速く計算できたことと、29kmという数値が、やや大きいのではないかと、少々疑問を感じました。
 こうした球の弾道の問題は、物理学の基本的な問題であり、弾道は放物線になります。(下図)


空気抵抗が無視できる場合、初速度vと仰角θを与えると到達距離、L
L=v2sin2θ/G    (1)式
    ただし、Gは、重力加速度 (9.8m/s2)
θ=45°の時、sin2θは最大になりますからLが最大になることは明らかです。
プロ野球選手の間ではθ=38°が良いなどとも言われているそうです。
テレビで出題された問題では、初速度とボールの重さが提示されていませんでした。問題
としては条件が不十分な感じがしました。そこで、正解値を得るための初速度と仰角を推定してみました。

硬式野球の球の重さは、約150gと軽量です。速度150km/Hの投球を150kgのバットで打ち返すときの打球の速度はよくわかりませんが、150km/Hよりかなり大きくなると思われます。その速度を仮に1920km/Hとします。
  仰角 45°の時 L=29.0km  テレビで言っていた正解と一致します。
  仰角 38°の時 L=28.1km   正解に近い数値です。
つまり、バレンティン選手が大谷翔平投手の投球を重さ150kgのバットで打つことができると、西武ドームまで飛ばせる計算になります。

ところで、ボールの速度が40,300km/H(脱出速度)を超えると地球の重力圏を振り切ることができます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 琵琶湖疎水 | トップ | 八重の桜 襄の梅 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

科学」カテゴリの最新記事