yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

文系と理系

2016-08-04 04:58:00 | 文化
文系の代表は文学部、理系の代表は理学部とよくいわれますが、元東大教授で脳科学者の養老孟司先生は、下記のような事を書いています。
東大で教授同士の会議をやると、誰がどの学部かすぐにわかります。理学部と文学部は話が長くて、なかなか終わりません。工学部は実学なので、「どうするかを考えよう」と話が早い。
これに対して森博嗣教授は「理学部や文学部の」人は「まず理念から」などと言います。工学部の感覚では、「理念なんかあとから考えればいいじゃないか」ということになります。
養老先生は「脳科学の観点からそれは正しい。物事に対する理屈や説明は脳が最後付けで作り出すものなんです。数学はまた別ですけれど。」
 また、「前提の吟味をしない日本の文系」という説もあります。例えば、「解剖体慰霊祭は憲法違反です」という投書が僕宛に来たことがあります。差出人によれば、憲法は政府が直接宗教行事に関与することを禁止している。だから慰霊祭は憲法違反だというんですね。僕は弁護士に、「憲法違反と言うけれど、そもそも憲法の前提は何でしょう」と尋ねたんです。ところが弁護士は「憲法の前提なんて考えたこともない」と言う。憲法のない状態から憲法を作ったからには、何のために憲法を作るのかという前提があったはずなんです。だけど日本ではそれを吟味しようとしません。

    養老孟司 「文系の壁」PHP研究所

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