yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

五高時代の 秋月悌次郎のエピソード(3) 中庸の道

2008-05-23 09:41:43 | 歴史

昭和10年、秋月悌次郎没後約40年に秋月先生記念いう本が刊行されています。その中に、ある教え子、小森幹枝は次のように書いています。<o:p></o:p>

「先生が五高より間道を経て帰宅せらるる途中、往々肥料等を担いで畠に通<o:p></o:p>

う農夫に出会わるることあり。其の都度先生は寒暑の挨拶を為して其の労を慰め作物の模様等を尋ねらる。其の慈悲深き先生の御態度は何とも言われぬ崇高の場面を現出し、孔夫子(孔子のこと)も亦斯くの如き態度を以て人を応待<o:p></o:p>

せられしかと思うの念が起るのである。」<o:p></o:p>

この回想によれば、秋月悌次郎は出会った村人に、時候の挨拶をし、その「労を慰め」、「作物の模様等を尋ね」たという。しかし悌次郎はそれを「慈悲」の感情によって成したわけではない。「治国平天下」を事とする武士が村人の労をねぎらい、作柄をたずねるのは、農民は田を耕せ、武士は安んじてそれを成さしめるよう国家を安泰に導け、という人それぞれの分を尽くしていただけのことである。<o:p></o:p>

人は誠心によって過不及なくおのおのの分を尽くすならば、別に名を挙げなくてもよい、それは「中庸の道」に通じてゆき天命にかなうという思想です。悌次郎は日々、それを黙々と実行しました。<o:p></o:p>

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       松本健一秋月悌次郎 老日本の面影作品社<o:p></o:p>

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