昭和史の大家の故・半藤一利氏が著作の中で日本人の悪い癖について指摘しています。
東日本大震災の原発事故に焦点を当てて考えると、「こういう大地震が来るんじゃないか、そして大津波が襲うんじゃないか」という予想はできたはずなんです。ところが、こういう思考法は日本人の戦争中からの癖なんですね。「起きて
困ることは、起きないのではないか」と考える。そう考えているうちに「起きないに違いない」、そしてついには「絶対に起きない」という結論になるんですね。何の根拠もなしに確信してしまう。太平洋戦争のときの日本の作戦は全部そうなんです。敗戦直前の昭和二十年八月九日のソ連軍の満州侵攻などがいい例です。
「今、出てこられたら最悪だ」「いや、中立条約があるんだから出てこないだろう」「ゼッタイ出てこない」と、国境線にソ連軍が集結しているのがわかっているのに楽観してしまった。それが大変な悲劇を生む結果となった。根拠のない楽観は困ったものです。それを国家レベルでやると悲惨なことになります。元寇の時、蒙古軍は日本攻略に失敗しましたが、近代になって米英と戦争している時に、いざとなれば、「神風が吹くから神州不滅だ」などと言っていたのは愚かなことです。
半藤一利「今、日本人に知ってもらいたいこと」KKベストセラ-ズ
東日本大震災の原発事故に焦点を当てて考えると、「こういう大地震が来るんじゃないか、そして大津波が襲うんじゃないか」という予想はできたはずなんです。ところが、こういう思考法は日本人の戦争中からの癖なんですね。「起きて
困ることは、起きないのではないか」と考える。そう考えているうちに「起きないに違いない」、そしてついには「絶対に起きない」という結論になるんですね。何の根拠もなしに確信してしまう。太平洋戦争のときの日本の作戦は全部そうなんです。敗戦直前の昭和二十年八月九日のソ連軍の満州侵攻などがいい例です。
「今、出てこられたら最悪だ」「いや、中立条約があるんだから出てこないだろう」「ゼッタイ出てこない」と、国境線にソ連軍が集結しているのがわかっているのに楽観してしまった。それが大変な悲劇を生む結果となった。根拠のない楽観は困ったものです。それを国家レベルでやると悲惨なことになります。元寇の時、蒙古軍は日本攻略に失敗しましたが、近代になって米英と戦争している時に、いざとなれば、「神風が吹くから神州不滅だ」などと言っていたのは愚かなことです。
半藤一利「今、日本人に知ってもらいたいこと」KKベストセラ-ズ
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