yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

将棋盤の点

2016-05-03 05:14:14 | 将棋
先崎学九段のエッセイ集にある「将棋盤の点」の話です。

N九段とG九段とK氏と私で、函館に競馬をやりに行った時のこと。酒を飲みながら、そういえば、将棋盤にはなんで点があるのか、という話になった。碁盤に星があるのは、星打ちという言葉が有るぐらいで何となく分かる。しかしなんで将棋盤の中央には四つ、点があるのだろう。
その時、Nさんが叫んだ。「点なんて、あるわけないじゃない」
はあ、となる三人。たしか、あったはずじゃあ、、、。「ない」とNさん。「ない。君達、何年将棋やってるの。そんな点、あるわけないじゃん」
「なにいってるんすかあるに決まってる」とG。かくて不毛な点のあるない論争がはじまったのである。横で女の子が呆れだした。「二人とも本当に将棋指しなの」(註:二人とも王将になった強豪)
論より証拠、誰かに電話して確かめようとなって、電話したのは私。相手はなんと羽生善治である。酔っぱらいの勢いというのは凄いものだ。
 羽生は眠そうな声だった。事情を説明すると、呆れられた。「ちょっと盤を見てくれない」と私。「メンドーです。たしかあったんじゃないですか」
 「羽生はある、といってたよ」と私は言った。次のNさんの一言はカッコよかった。「羽生時代もこれで終った」 (註:今でも羽生時代は継続中)
 東京に帰り、家の将棋盤を見た時のNさんのことを考えると、今でも笑ってしまう。そう、あるんですね。だいたいの盤には、四つしっかり点がある。(下 図面)

   先崎学 「摩訶不思議な棋士の脳」日本将棋連盟







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