yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

東山泉涌寺

2012-11-30 06:46:47 | 文学
恩師の最近の律詩です。

東山泉涌寺

天朝廟祀東山下
蒼鬱青林繞寺門
厳律紹承築丕構
清泉涌出浴洪恩
名工傳技自明法
聖像含妍如訴冤
初夏風柔吹寶塔
逍遥不攪到黄昏
 註 寺中楊貴妃観音像在

天朝ノ廟祀 東山ノ下
蒼鬱タル青林 寺門ヲ繞ル
厳律紹承 丕構ヲ築キ
清泉涌キ出デテ 洪恩ニ浴ス
名工技ヲ傳エ 自ラ法ヲ明ニシ
聖像妍ヲ含ミ 冤ヲ訴ウガ如シ
初夏ノ風柔カク 寶塔ヲ吹キ
逍遥攪エズシテ 黄昏ニ到ル

「訳」

皇室の霊廟が東山にある
鬱蒼とした林がこの寺を囲んでいる
厳しい戒律を伝える 広壮な建物が築かれている
名工が技を伝えており、法を明らかにしている
聖像は妖艶で冤を訴えるようだ
初夏の風が柔らかく寶塔に吹いている
逍遥していると、いつのまにか黄昏の時になった。


泉涌寺は皇室の菩提寺です。
「丕構」は大きな建物のこと。
「冤ヲ訴ウガ如シ」は、先生が唐の楊貴妃の悲劇を連想されたと推察されます。

初夏に泉涌寺を参拝された石川先生が賦された漢詩です。
私も学生時代に、京都旅行で東山を逍遥した折、この観音像(下)を拝観し、魅了された思い出があります。

石川忠久「學士會会報」No.897


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