yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

数学

2013-03-09 06:29:30 | 科学
数学は物理学とならんで、理系文化の基礎学問です。嘗て、旧制高校生にとっても、難しい学科であったようで、微かに分かる「微分」とか、分かった積もりの「積分」などと揶揄されたということです。学校で難しい事を色々と学びましたが、因数分解や2次方程式の解の公式などは、一般の人が生活をしていく上で、役に立つ場合は少ないようです。それでも学校で数学教育が行われているのは、論理的な思考を身に付けさせるのが目的ではないかと思います。
 先日、テレビで紹介していましたが、江戸時代には和算という日本独自の優れた数学があったそうです。和算の問題は、額に書いて神社などに奉納されました。これを「算額」と言いますが、愛媛県には、多くの算額があるそうです。例えば、1850年に松山市の伊佐爾波(いさにわ)神社に、花山金治郎によって奉納された「算額」があります。そこには次のような問題が書かれています。
 「1辺が20寸の正三角形があります。この中に同じ大きさの3個の円あります(下図)。この正三角形の外円の直径を求む」
 江戸時代の人は、「9寸零零有奇」という解答を残したそうです。「有奇」とは端数という意味です。現代の数学者、愛媛大学の平田浩一教授は、昔の和算の手法を調査した上で、極めてシンプルな解答式を導きました。その式によって計算すると、答は9.00393となりました。江戸時代の和算の結果も見事に一致しています。

因みに、その式は3次方程式の解tを用いて、次のように表されます。
       d=√3XtXa/(3-2Xt)
           d: 外円の直径
           a: 正三角形の一辺の長さ

    平田浩一 「愛媛和算家の数学力」   


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑学クイズ | トップ | 世界四大文章語 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

科学」カテゴリの最新記事