yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

将棋駒を指す手つき

2019-10-03 06:20:22 | 将棋
将棋において駒を進める動作、つまり駒を指す「手つき」についての話です。この些細とも言える行為に、プロとアマには格段の差、修練の差があるようです。 中原誠名人や米長邦雄名人の手つきは、特にすばらしいものでした。人差指と中指に駒をはさんで、将棋盤面にピシっと打ち付ける所作は見事でした。「指も美しい」と、女流棋士からも絶賛されました。では、アマチュアの手つきはどうでしょうか。将棋を題材とするドラマに「将棋指」役で出演する俳優には、アマチュの方が多いので致し方ないのでしょうが、ドラマの中で手つきが決まっているのをあまり見たことがありません。ただ単に駒を移動させているだけというのが多いようです。これでは棋士や将棋に対する敬意が湧くことがないでしょう。この一事をもって、腕前の強弱までが推測されるのです。将棋駒を「移動させればいい」というものではなく、指す手つきの中にその一手の重みと、その人の将棋にかけた思いが、凝縮しているのではないでしょうか。
加藤一二三九段の指し方は迫力満点で、六寸の厚さの将棋盤にヒビが入る程でした。一方、升田幸三名人は、夜、自宅で将棋の研究をする時に、家族がその音に煩わされないよう、音の出ない布製の将棋盤を使ったということです。ヒゲの先生の豪放なイメ-ジとは対照的な、まことにやさしい心もお持ちでした。

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