yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

ニーチェの言葉

2016-07-11 05:04:06 | 文学
「事実なるものはなく、あるのはただ解釈のみ」というニーチェの言葉があるそうです。19世紀末のドイツの哲学者の遺稿、「権力への意志」に、これに関連した文があります。
世界はいつもある視点から捉えられる。言いかえると、どこからどう見るかで、その見え姿も変わる。であるから、解釈から切り離れされた「事実」そのものがあるわけではない。世界は常に別様にも解釈できる。「事実」を意味する英語の「ファクト」はラテン語の「作られたもの」(ファクトゥーム)に由来する。
ニーチェの言葉ですから深遠な含蓄があるのでしょうが、私は疑問を覚えました。例えば、物理学は、多くの人が認める地球の公転のような自然現象という事実を肯定することから出発して、宇宙全体の物理現象を合理的に説明できる法則を研究する学問です。また、誰もが認識できる殺人などの犯罪は、その事実を出発点として、捜査・検挙・裁判などという経過を積み上げて社会秩序の安定を実現しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする