yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

Be Gentleman

2013-11-12 06:38:00 | 文化
アメリカから日本に渡ってきたクラーク博士は札幌農学校で教鞭をとり始めました。当時の生徒たちは武家の子弟でしたが、武士が農業に携わることに対して鬱屈した感情もあったのでしょう。飲酒や喧嘩をする腕白な生徒達でした。学校では細かい校則を作って子供をしつけるような対策をとったということです。しかし、生徒の腕白振りは収まることがありませんでした。クラーク先生は意を決して生徒達に向かい、大切にアメリカから持参したワインを叩き割って、「私はワインを断つことにした。君達も飲酒を止めよ」と言いました。そして、校則を書いた文書を破り捨てた上で、「今後、校則は廃止する。君達に、ただ一言、Be Gentleman」と諭しました。この後、腕白な生徒は真摯な気持ちで勉学に向かうことになったということです。
さて、やはりアメリカに留学をした、元・会津藩士、山川健次郎は、九州の財閥、安川敬一郎と共に明治専門学校 (九州工業大学の前身)を開きました。健次郎は明治42年の入学式で、九州を中心に全国から集まった俊英である新入生を前にして訓辞しました。「本校は単に技術者を養成するのみの学校にあらず、技術に熟達せるジェントルマンを養成する学校である」と生徒達に切々と訴えました。また、次のような徳目も掲げました。
一 忠孝を励むべし
一 言責を重んずべし
一 廉恥を修むべし
一 勇気を練るべし
一 礼儀を乱すべからず
一 服従を忘るべからず
一 節倹をつとむべし
一 摂生を怠るべからず

まさに會津武士道の徳目を見るようです。若い頃、會津日新館で学び、白虎隊士でもあった健次郎の面目躍如たるところです。健次郎は後に東京大学総長になり、白虎隊総長とも言われました。
コメント
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