yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

広瀬旭荘 桜祠に遊ぶ

2013-03-24 06:17:00 | 文学
広瀬旭荘は江戸時代末期の漢詩人(1807~1863)。豊後、日田の人。兄、淡窓とともに有名です。漢詩、五言絶句 「桜祠に遊ぶ」を紹介します。

桜祠に遊ぶ

花開萬人集
花尽一人無
但見双黄鳥
緑陰深処呼

花開ケバ萬人集マリ
花尽クレバ一人無シ
但ダ見ル双黄鳥
緑陰深キ処ニ呼ブヲ



桜の花が咲くと何万とも知れぬ人たちが集まってくるが、さて、いったん花が散ってしまうと、だれひとりやってこなくなる。ただ一番の雌雄の鶯だけが、緑濃い葉桜の木陰で呼び交わしているのである。
(このように人は権勢利欲にあこがれ、招かないでも大勢の人が近寄ってくる。しかし、その人が財産、地位を失うと誰ひとりとして寄りつかなくなる。そうした折、旧に変わらない交情を示すものこそ真の人間である。)

この詩には、元になった中国人の漢詩がありますが、旭荘のこの漢詩のほうが優れているようです。

「吟剣詩舞道漢詩集(絶句編)」 日本吟剣詩舞振興会編
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