yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

山行

2012-07-08 06:37:58 | 文学
晩唐の詩人 杜牧の漢詩です。

山行

遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅於二月花

遠く寒山に上れば石径斜めなり
白雲生ずる処 人家あり
車を停めて坐(そぞろ)に愛す 楓林の晩(くれ)
霜葉は二月の花よりも紅なり



秋の山をはるばると上って行くと、石の小道がずっと続いている。峯の方を仰ぐと、白雲
のかかるあたりに、人家のあるのが見える。車をとめて、辺りの風景をめでると、霜にうたれて紅葉した葉は、二月に咲く花よりも赤い。

霜葉と二月の花の対比に意外性がある。意外性を秘めながら、全体にあふれる高雅な趣は杜牧ならではのものがある。

   石川忠久 「漢詩のこころ」 時事通信社

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