ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

久しぶりに小説読んで泣いてしまった

2010年09月20日 | 読書
対岸の彼女 (文春文庫)
角田 光代
文藝春秋

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吉原真理さんが、彼女の7月2日のブログの中で泣いたと書かれていたので、私も読んでみようと日本で購入してきて昨日読み終わりましたが、やっぱり泣きました。特に、楢橋葵とナナコが自殺未遂の後再会したシーンで。

私の高校生時代は、葵とナナコのようなものではなくってもっと暢気で陽気で、高校野球の応援に現を抜かしたどちらかというと当時のテレビドラマの「青春とは何だ!」的なノリだったけど、一方では、何とかして親の管理から抜け出したい、そのためにはどうしても東京の大学に行って一人暮らしがしたい・・・と願ってもいたっけ。

ま、念願かなって親元を離れたわけだけど、そういう意味では親と受験という重しからの逃亡劇ではあったわけで、葵やナナコと対して変わらなかったのかもしれないな・・。

考えてみれば、いつも「ここではないどこか・・に行きたい。」という気持ちがあって、東京に出てきて、さらにはふらっとドイツまでやって来て住み着いてしまったわけで・・18のとき以来の逃亡劇がまだ続いているとも言えるかも。

あのまま日本にいて結婚を続けていたら私も田村小夜子のようになっていたかもしれないな・・などなど、いろいろ考えさせられることも多い小説ではありました。