陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

映画「サウンド・オブ・ミュージック」

2010-03-05 | 映画──社会派・青春・恋愛
1965年の映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、同名のミュージカルをもとにした映画。 「ウエスト・サイド物語」 とおなじくロバート・ワイズ監督による、20世紀ミュージカル映画の最高峰のひとつ。「エーデルワイス」「ドレミの歌」など、誰しもがいちどは耳にしたことがあるナンバーを含み、アルプスの険阻な山容からはじまって美しい高原、清らかな湖を前にした邸内での甘やかな恋模様、師弟愛から母性愛へと深まる絆、政治的圧力に負けじと歌うトラップ一家の合唱シーン、など見どころがたっぷりの作品。
日本では「トラップ一家物語」という、今はなき日曜名作劇場のアニメーションで内容をご存じの方も多いのではないかと思われる。

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第二次世界大戦直前のナチスドイツに合併された、オーストリアのザルツブルク。
修道女見習いのマリアは天衣無縫で、シスターたちは手を焼いている。院長に勧められ、トラップ大佐の七人の子どもたちの家庭教師の口をあてがわれた。
過去十一人の家庭教師をあきれさせてきた問題児かと思われた、トラップ家の子供たちだが、じつは妻を亡くしてからしつけの厳しい父親に構ってほしいからだと、マリアは見抜く。いたずらをしかけてもむやみに叱らず、雷の恐怖をなぐさめてくれるマリア先生に、子どもたちはこころを開いていった。
子どもたちに遊び着を与え、気晴らしに歌を教えたマリアに、トラップ大佐は惹かれていくが、彼にはすでに婚約者のエルザ男爵未亡人がいた…。

大佐の愛が自分に向かっていること気づき、マリアが大佐邸をこっそり去ってしまうまでが第一部。第二部からは、院長の説得によってマリアが戻り、大佐とめでたく結ばれる。
しかし、戦雲がたちこめるオーストリア。親ナチ派にくみしないトラップ大佐に風当たりは冷たい。海軍の勇将であった大佐を利用するために、ナチ党から収集命令が下されてしまった。一家は音楽会への出席を装って、出国を図ろうとする。この手に汗握るラストの追走劇が、圧巻の山越えシーンで幕を閉じる。大作を観たという疲れが、このラストによってに吹き飛んでしまう。

注意したいのは、この第一部と第二部では同じ曲がまったく異なった場面で繰り返されていること。
序盤、おてんばなヒロインをたしなめ噂しあうテーマ曲《Maria「マリア」》は、周囲の祝福につつまれて幸福な結婚式を挙げる場面に。
電報配達の少年とひそかに恋仲になっている長女、ふたりの若い恋人たちのテーマ曲《Sixteen Going on Seventeen「もうすぐ17才」》は、愛を深めあった大佐とマリアの間でも交わされる。
「悲しいときの薬は歌」だと教えてくれたマリアの《My Favorite Things「私のお気に入り」》は、後半、父親に叱責されて気分が沈んだ子どもたちをふたたび慰める。
マリアが子どもに音楽を教えるはじめとなる《Do-Re-Mi「ドレミの歌」》は、のちに子どもたちが合唱団として観衆の拍手に迎えられる成長の証として、再演される。
大佐がギター片手にご自慢の喉を初披露する《Edelweiss「エーデルワイス」》は、終盤のナチ党員が監視する緊張感に包まれた音楽会で、高らかにオーストリアの美しい自然を称える愛国心を主張し、ホームパーティで子どもたちが眠りにつく《So Long, Farewell「さようなら、ごきげんよう」》が、敵を欺いて母国へのお別れをつげる曲となる。
印象的な使われ方をしたのが、《Climb Ev'ry Mountain「すべての山に登れ」》
マリアは大佐の愛情に応えるのが恐くなって逃げ出してしまったが、今度は愛する家族をまもるために厳しい山を越えていく。

ひじょうにすばらしい音楽映画であるとともに、平和や家族愛を讃えた不朽の名作であるといえるだろう。

出演はマリア役に、ジュリー・アンドリュース。ブロードウェイミュージカル「マイ・フェア・レディ」のイライザ役や、「プリティ・プリンセス」でアン・ハサウェイ演じる少女の祖母の女王で知られる、名女優にして歌手。
トラップ大佐に、クリストファー・プラマー。「ナショナル・トレジャー」でニコラス・ケイジの祖父を演じ、最近では2009年公開の「カールじいさんの空飛ぶ家」の声優も務めている。
エルザ男爵夫人に、エリノア・パーカー。

本作は、第38回アカデミー賞で、作品賞,監督賞、編集賞、音楽賞、録音賞で受賞。

ミュージカル版の原作は、マリア・フォン・トラップの自伝。
実際に、子どもたちを率いてトラップ・ファミリー合唱団で活動をおこなったけれど、ミュージカル化にあたっては史実と異なる部分があるらしい。

(2010年1月19日)

サウンド・オブ・ミュージック(1965) - goo 映画

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