陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

映画「マッド・シティ」

2018-11-18 | 映画──社会派・青春・恋愛

つい先日、日本のあるバラエティ番組がとある外国のお祭りをでっちあげたと報じられました。
海外のことですし、たかがお祭りでとの考えもないわけではありませんが。たとえば、日本のなまはげが実際にこどもを人身御供にしていると、知りもしない地球のどこかで報じられたら怖いわけで。事実、海外の動物愛護団体からは日本がイルカやクジラをむごたらしく殺して食べているとされてもいるわけで。それを文化の違いと言い切るには足りなくて。マスメディアの偏向報道は、ともすれば声の大きさに流されがちなSNS世代にもはねかえってくる論点ではないでしょうか。

1997年のアメリカ映画「マッド・シティ」は、タイトルから極悪なホラーを予想してしまいがちですが、マスコミの報道のありかたを問うセンセーショナルな社会派サスペンス。

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ローカルテレビ局の突撃リポーター、マックスは自然博物館の取材中に、立てこもり事件に遭遇。犯人は博物館の警備員を解雇されたばかりのサムだった。サムは館長に銃でかるく脅して復職を迫るはずだったのだが、運悪く、見学の小学生たちも中に残されており、さらには同僚の警備員を誤って射撃してしまったことから、凶悪な人質犯になってしまう。特ダネをものにしたいマックスはサムを懐柔し、事件を長引かせて視聴率稼ぎをしようともくろむが…。

周囲をFBIや州の警察官に包囲され、他局の取材班が押しかける。
マックスの計らいで、実況中継に借り出されたサムは失業したあげくの哀れな犯罪者として映り、人びとの同情を誘う。気弱でことあるごとに血が上りやすいサムをなだめていくマックスは、野心があるとはいいながらも、いい兄貴分といったところで微笑ましい場面です。子どもたちも人質生活を楽しんでいて、館長と打ち解けてもいく。

しかし、事件の現場よりもその外側の現実のほうが酷いもの。
注目度をあげるために、犯人の知人友人の証言が捏造され、犯人や被害者のプライバシーは荒らされ、死なずにすんだはずの命までがマスメディアによって奪われていく。マックスをかねてから疎んじていた同局の古株レポーターの策略によって、サムとマックスが追い詰められてしまいます。

ラストまでどうなることかと緊張感のつづく展開ですが、撮る側が撮られる側に回ってしまうという皮肉めいた仕様は、過熱報道がさんざん非難の槍玉にあがるマスメディアへのアンチテーゼなのでしょう。英国のダイアナ妃を死に追いやったパパラッチを思い起こしますよね。

監督はコスタ=ガヴラス。
出演は、「レインマン」「卒業」のダスティン・ホフマン、「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタ、アラン・アルダほか。


(2011年12月13日)

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