陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

機動戦士ガンダム、宇宙からオリンピックを応援

2019-05-18 | 芸術・文化・科学・歴史

NHKで「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」というアニメが放映中らしいです。
ファーストガンダムと称されるシリーズ第一期の敵キャラ、シャア・アズナブルの少年時代を描いた前史にあたるものとのこと。不肖私めはガンダムに疎く、クリームパンの色した髪の仮面男がなぜ絶大な人気を誇るかわからないままで、マニアの皆さまからはお叱りをうけそうです。中の人の声はたしかに渋い。NHKは「歴史秘話ヒストリア」でガンダムシリーズの全作品を特集していたり、第一期の当時のアニメスタッフにインタビューした制作現場の裏側を追った番組を放映したり、なにかとガンダム推しなんですが、幹部役員にファンでもいるのか、受信料搾取アップ策なのでしょうかね。




それはともかく、この「機動戦士ガンダム」がまたまた国家的プロジェクトに加担する動きが! なんと、2020年の東京五輪およびパラリンピック大会時に、宇宙から応援メッセージを送る計画が進行中とのこと。今月15日に、オリンピック大会組織委員会、宇宙航空研究開発機構(JAXA)そして東京大学の発表により、その概要が明らかにされました。

来年3月頃、東大開発の超小型衛星が国際宇宙ステーションへ補給線で運ばれ、日本実験棟「きぼう」から宇宙空間へ放出。
その後、衛星内部からは「ガンダム」と「ザク」二体の模型が現れ、その足もとの電光掲示板からメッセージを表示。衛生カメラで撮影し、来年4月から、大会終了後の9月まで地上へ送信されるという。

ファンが気になるのは、応援の画像とメッセージの中身だと思いますが…。
たしかに、ガンダムの名言のなかには勝負事に流用できそうなものがタンマリありますので、ネタに事欠かなささそうですね。「あんなの飾りです! 偉い人にはそれがわからんのですよ」とか。

記念すべき「機動戦士ガンダム」シリーズの初作が放映されたのは1979年、なんと今年はすでに40周年!
いまだにシリーズ派生作品が生み出される、国民的人気のあるアニメ。40年前の制作当時、ロボットアニメはやや人気に陰りがみられ、爆発的ブームだった「宇宙戦艦ヤマト」に対抗する宇宙バトルものとして企画されたらしいのですが、テレビ放映当時は視聴率低迷で放映回数が削られてしまったものの、最終回に近づくにつれ若者を中心にファンクラブができ、とうとう目標だった映画化にもこぎつけたのだとか。

初期ガンダムは詳しくないですが、「機動戦士ガンダムSEED」とか「新機動戦記ガンダムW」とかは、同年代でもファンが多かった覚えがあります。男の子向けロボットアニメなのに、意外と作画が少女漫画みたいに美しかったりするんですよね。サンライズ社のアニメもそれ以外にいろいろありますが、いまでも好きなのは多いですしね。

個人的には国家プロジェクトに活用するなら、「ドラえもん」とか手塚治虫作品とか、「ドラゴンボール」とか、あるいは「キャプテン翼」「スラムダンク」みたいなスポーツもののほうが向いていそうな気がしますけれど。そういえば、柔道アニメの「YAWARA!」は、バルセロナ五輪がらみのお話でしたね。

「ガンダム」は宇宙への移民と地球への残留者との政治的対立、反戦や革命を描いたものですので、あまり国のキャンペーン利用に向かないような気がしていましたので、いやはやとても驚きです。そもそも近代オリンピックたるものが戦争なき世界の友好と親睦をかねた祭典であるので、人種間差別を反した「ガンダム」の主旨と合うのかもしれませんが。視聴者層は、もうお父さん世代と言いますか、おじいちゃん世代。認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものを。



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