陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

落語THE MOVIE は面白し

2017-06-20 | 芸術・文化・科学・歴史

インターネット上の娯楽に地位を奪われていると言われて久しいテレビ番組ですが、久々に見ると、けっこう面白いなという企画をやっていたりますよね。地デジ放送がはじまって以来、さほどテレビを観なくなったのですが、たまに暇つぶしでザッピングしていると、面白い番組に出会いますよね。

たまたま見て笑ってしまったのは、「超入門!落語THE MOVIE E」
有名な落語家の漫談を、俳優陣の演技で再現。なんと、落語家の喋りに合わせて、俳優たちは演技しているんですね。それが、なんとも絶妙なタイミングだったり、表情だったりするので笑えます。落語についてまったく知らなくて、単に座布団に座った着物の紳士が語り聞かせしている、それだけの知識しかなかったんですね。ところが、この番組だと、再現映像の合間に、落語家の演目中のVTRが挿入される。そのシーンというのが圧巻で、食べるしぐさとか、とにかく芝居が堂に入っているのです。まさか、こんなに全身で表現する芸だとは思いもよらず。

落語にそもそも興味をもったきっかけは、読売新聞の文化欄でたまに特集される古典落語の解説記事からだったのですが。落語家一人が複数名を演じ分けているので、群像劇もお手のもの。昔、無声映画(トーキー)には台詞を放す講釈師がいたそうですが、あんなに流暢に話せるのも素晴らしいです。歌舞伎に比べると庶民的だし、江戸時代の吉本新喜劇かぐらいの印象しかなかったけれど、落語もなかなか奥が深いですね。田舎民なので、寄席には気軽に出かけられませんが。番組最後に、お江戸風俗豆知識みたいなコーナーもあります。

毎週ではないけれど気まぐれに見ているのは「日曜美術館」。
テレビ東京系の「美の巨人」ともども、欠かせないアート番組ですが、最近は司会者が変わったので、ちょっと趣が異なっていますよね。先週は、漫画家の大友克洋氏がブリューゲルの「バベルの塔」を語るという企画。

「ダーウィンが来た」は、NHKの大河ドラマの前座で。
これがなかなかハマって面白い。動物番組って、頭使わずに観れますよね。なにかこう、人間世界に疲れたときに癒されるとか。「けものフレンズ」(稀少動物を擬人化したものらしい)というアニメのおかげで、動物園人気が謎の高まりを見せているようですが、自分の身近にいない珍しい生き物の生態を辿るの、興味深いですよね。たいがい、オスがメス獲得のために頑張ってますよ、育メンもやってますよ、という切ないパターンが多くて、自然界でも生存戦略はシビアだなあと感じますが(笑)。孔雀もそうですけど、オスのほうが魅力的な外見で、メスのほうが控えめな見てくれだったりしますよね…。人間みたいに化粧でごまかせないからでしょうけど…。

情報番組と違って、最近あまり惹かれないのは、アニメ番組。
クオリティ高いと思うのだけど、NHKだから優等生的なストーリーといった感じで刺激が足りないですね。高橋留美子原作の「境界のRINNE」も一回観たけど「犬夜叉」ほどのめりこめそうでもなし。いっそ「人魚の森」(原作を断片的にしか知らないけど)をリメイクして放映してくれたらとか思ってしまう。お子様の付き合いで観てしまう「ひつじのショーン」とか「機関車トーマス」のほうがおもろいですね。粘土アニメとCGの作りこみに感動します。昔、「人形劇三国志」の再放送にハマっていたのを思い出します。

最後に歴史ファンとして欠かせない「歴史秘話ヒストリア」。
OPの癒される美声のために観たくなる番組でもありますが、修復の済んだ高松塚古墳の最新研究成果など、考古学ファンを魅了するような特集もあります。前のアナウンサーのほうが司会うまいなと思わないでもないですが…。これ以外にも「知恵泉」など、わりと面白いEテレの歴史番組あったりしますよね。あと語学番組もストーリーが工夫凝らしていたりで。

手が空くからラジオ視聴がメインだったのだけど、やっぱり映像が見える番組もいいですよね。全部チェックしてたらキリがないので、片手間程度ですが。

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